タグ: natural

Hope and Cheer

柔らかい日差しが半年ぶりに戻って来て、春の訪れを感じる季節になりました。バンクーバーで春を感じる最初のサインは、クロッカスの群衆とスノードロップでしょう。クロッカスの花言葉は「青春の喜び」「元気」、そしてスノードロップの花言葉は「希望」「慰め」。どちらも春めいてくる時間の中で、心が浮き立ってくるようなそんな響きがします。

カナダの春は、生命力の強さを教えてくれます。まだ背後の山々には雪景色が広がり、ピンと張り詰めた冷たい空気が吹く中で、新しい命が芽吹く瞬間が私は大好きです。

特にクロッカスの群生はお見事。誰かが袋一杯の種を溢してしまったかと思うほど、木の根元や日当たりの良い芝生の上にお花畑のように咲き乱れます。一斉に太陽の方向を向いて、小ぶりで鮮やかな花を咲かせる力強いクロッカスの姿が、長い冬の終わりと共にやって来る春の時間を知らせてくれます。

クロッカスに続いて、霜や凍結にも負けずに勢いよく芽吹いて来る命はこの頃どんどん加速します。家の外のプランターに忘れたように植えてあったチューリップの球根がニョキニョキ芽を出始めました。

冬に植え付けたガーリックの芽も日々元気に伸びて行きます。今年の夏は初めて自らガーリックの収穫が出来るかな、と今からわくわくしています。

芽吹くのは種や球根だけではありません。黄色い枝を茂らせるサボテンのような形をした不思議な樹木が近所の公園に存在するのですが、毎年冬も終盤になると根元の大きな幹だけを残して市の役員が容赦なく剪定します。今年は偶然その剪定日に遭遇して、公園に大量に切り落とされた黄色い枝が無作法に放置されていました。しばらく観察していると、おばさんがいそいそとやって来て枝を拾い始めました。思わず、「その枝どうするんですか?」と尋ねてみると、「この枝は強くて丈夫で、ガーデニングに使うの。トマトや胡瓜などの支柱に最適よ。しかも、土に差し込んで置くと可愛らしい緑の葉っぱが芽吹くのよ!」と詳しく教えてくれました。市の方も、近隣の住人がガーデニング等にこの枝を再利用するのを知っているそうで、切り落とした枝を「ご自由にどうぞ」と言わんばかりに放置しています。おばさんと立ち話をしている最中に、どこから噂を聞きつけたか、人々が続々やって来て枝を拾い始めていました。

私も真似して数本持ち帰り水挿ししておくと、数週間後に緑色の小さな葉っぱがあちらこちらから顔を出し始めて、とっても可愛い!今ではちょっとした室内のミニオアシスになっています。

とある海岸沿いに生息していたローズマリーの生命力も強いです。ちょっと摘んで持ち帰り生けておくと、可愛らしいラベンダー色の花を咲かせてくれました。ローズマリーは簡単に挿木も出来て比較的簡単に増やすことが出来ます。

一見止まった景色の中に、新しい小さなパワーが宿っている。生命とは短く、はかなく、けれど強く根性あるものなのではないでしょうか。「希望」と「元気」と言う言葉がぴったりの春になって欲しいと今年はより一層強く思います。

Mindful Face 8 – Be Conscious of the Unconscious

無意識を意識する作業は、顔面神経麻痺を経験した人であれば誰もが意識する大事なトレーニングの一部ではないでしょうか。日頃気にも留めない小さなものが、顔の片面が動かなくなる事で、どれだけ大きな働きをしてくれているか気付かされます。数ある無意識の中でも、特に「瞬き」は私に大きな影響をもたらしました。

そもそも、顔の異変に気が付いたのは瞬きが出来ない自分の顔を鏡で見た瞬間でした。あまりにも無意識な仕草故、「何か目が変だな」と言う感覚だけで、鏡を見るまで自分の右目が瞬きをしていない事に気が付きませんでした。それに気付いてからは、さぁ大変!

一般の成人で1分間に10~30回繰り返すこの繊細な仕草は、自分の目をありとあらゆる外的要素から守ってくれています。まず、目が乾くので頻繁に軟膏や目薬で潤い補給をしないといけません。就寝時は柔らかい医療用テープでまぶたを閉じないと、寝ている間に大怪我になりかねません。更に、ふわりと風でも吹けば目がしみる。小さなホコリや虫が飛んで来ても、目を見開いて待ち構えるしか出来ません。この時期、私の右目は沢山の虫をオープングローブの様にキャッチしていました。まつ毛も日々抜けて生え変わりますが、それが目の中に入らない様に守ってくれているのも瞬きです。髪の毛先が1本でも触れれば、「痛っ!」となるありさま。シャンプーや洗顔の時も細かい注意が必要です。瞬きなしの眼球は、素足で山登りをしている位、何とも過酷な状況に曝されるのです。

私の場合、最初の数ヶ月は軟膏とヒアルロン酸ナトリウム点眼液を毎日ヘビロテしていました。更に、医者からは充血がある時の軟膏と、痒みが出た時の点眼液、そして長期戦を考慮して長く安心して点眼できる無添加の人口涙液型点眼剤を処方され、目薬だけでも5種類以上も保持するという大掛かりな事になっていました。自分のポケットや化粧ポーチの中に、必ずお守りのごとく点眼液が装備されている状態が1年以上続いたのです。

薬を好まない性格上、ここ最近はアーユルヴェーダの自家製ギーを目のトリートメントに愛用しています。ギーはバターから水分と不純物(タンパク質)を取り除いた純粋なオイルで、消化促進、免疫力向上、悪玉コレストロールを下げ、質の良いエネルギーとして食用に幅広く使えます。また、眼のケアとしても有名で、ギーに含まれる豊富なビタミンAは眼の健康維持や視力改善に役立ちます。携帯やパソコンで目を酷使している人やドライアイの人にもナチュラルな眼のトリートメントとして、手足のマッサージオイルとして、アンチエイジング効果や抗酸化作用もあったりと沢山の効能が備わっています。食べて良し塗って良し、お家で簡単に作れる我が家の万能オイルです。

瞬きは無意識なだけに、トレーニングするのも一番根気がいる作業です。変に意識して瞬きを試みると、顔の他の部分に力が入ってしまったり、シワが寄ってしまったりで、綺麗に開閉出来ません。顔全体の力を抜いて、顔面神経麻痺スペシャリストに習ったピラティスの様に地味なトレーニングをコツコツと続けるしか道はありません。ミリ単位で瞬きが上手になっていく度に感極まる思いでした!

人は何かを失う事でそのありがたみを知ることが多々ありますが、不思議な事に、まず失ってみないとそれに気が付きません。顔に限らず日常の中の無意識を探して見ると、些細なものに守られているそんな日常が見えてくるのではないでしょうか。小さなものや、空気の様なもの、当たり前に存在するもの程、なくてはならない絶大なものなのだと、瞬きが教えてくれました。無意識を意識してみると、身の回りの小さなミラクルに感謝せずにはいられません。

注)これはRHSに対する専門的医療知識を提供するものではありせん。あくまでも個人的な経験を通して感じた事や学んだ事として参考にして頂ければ幸いです。

A walk in the woods

「森へ歩きに行かない?」そんな友人からのお誘いが最近増えました。何て粋でカナダらしいお誘いだろうと常々思います。コロナウィルス感染拡大防止の為、家族以外となかなか外出や外食が出来ない中、唯一カナダの美しい自然は厳しい現状を忘れられる憩いの場を私達に提供してくれます

冬は太陽の顔を忘れる程、毎日雨が降り続くバンクーバーですが、カナダ人は傘もささずに平気で雨の中を歩いたりジョギングしたりします。私は流石に雨の中は歩きたくないと長らく思っていましたが、最近小雨程度ならありかもと、冬の雨の森を歩くのも好きになって来ました。

冷たい雨に濡れた針葉樹と苔蒸した香り、樹々の合間を幻想的に揺れる霧のカーテン、そしてあちらこちらから溢れた小川がトレイルにまで流れ込み、足元でチョロチョロと可愛らしい音をBGMに聴きながら歩くのは何とも清らかな気持ちにさせてくれます。

面白い事に、カナダ人はハイキング中終始お喋りが止まりません。しかもカフェで話す様な本気のお喋りがほぼ休みなく続くのです。これはコロナに始まった習慣ではなく、一緒に歩く相手が家族、恋人、友人、誰であろうと大抵皆ぺちゃくちゃお喋りをしながら歩いている姿が以前から印象的でした。「何をそんなに熱心に話してるんだろうか?」黙々と静寂なトレイルを歩くのが好きな私の素朴な疑問の1つでした。

最近、その疑問が何となく明らかになってきました。カナダ人の友人とハイキングに行く時、歩き始め前半は決まってお互いの近況報告会から始まります。ここ最近何していただの、どんな出来事があっただの、そんな会話を木の根っこを避けながら、雨でぬかったトレイルを登ったり下ったり結構なスピードで進みながら、話し続けます。一通りお互いのアップデートが終わると、お次は大抵自分達が気になっている自治問題の話題へ移行します。実は、私はここのトークが結構好きです。違う人種や文化背景を持つ人が、世の中の情勢やカナダで起きている社会問題をどう捉えているのか、違う角度からの意見は毎回とても興味深いです。ちょっと重いトピックでも、身体を動かしながら、周りの美しい景色も手助けしてか、「この問題についてはどう言う意見?」なんて、さらっと意見交換出来たりするのです。ハイキングも終盤に入ると、話題もその場その場で適当に移りますが、とにかくお喋りはノンストップ。このトレイルでこのスポットが一番お気に入りだとか、急に謎謎やお互いの質問コーナーが始まったり。そんな感じで数時間喋りっぱなしのハイキングが続きます。

ちょっと静かに森の声も聞きたくない?とふと思っていると、「今の音聞こえた?あれはリスの鳴き声ね」とか「ちょっと止まってみて!静かよね~~」なんてちゃっかり自然にも耳を澄ませていたりもするから可笑しくなります。

カフェで会ったり、街に繰り出すよりも、私は森の中で友人と会う時間がどんどん好きになって来ました。美しい自然と冬の澄み切った空気の中では、自然と伸び伸びと会話も弾みます。すれ違う人も皆笑顔で挨拶を交わします。「森へ歩きに行く」は、とてもカナダらしい社交場なのではないでしょうか。濡れた森を歩く度に心が晴れあがります。そして何より、森でお喋りをする度にまた一つ友人の事が深く知り合える、そんな素敵な交流の時間が流れています。

Sprout Power!

最近、スプラウティング(発芽)にハマっています。

きっかけはオーガニック+ビーガン+ローフードのシェフであるAgathe(アガト)さんと知り合ってから。彼女はバンクーバーでSprightly Plant Power(スプライトリー プラントパワー)と言うブランドを持ち、オンラインでも購入できる健康で美味しいクリエイティブな食を作っています。

全ての種子や穀物類はスプラウティングさせてから、生地にしたりミルクにしたりクッキーにしたりと、調理します。アーモンド、カシューナッツ、ウォルナッツ、ひよこ豆、レンズ豆、黒豆、蕎麦の実、キヌア、玄米…と、とにかくスプラウティングの達人。エイジレスでチャーミングで、食は人を造るのだと自ら体現してくれている女性です。

私もナッツや豆類を多く食べるけど、沢山摂取すると逆にお腹を壊したり、膨満感が出たり。そんな悩みをアガトさんに言ってみると意外な答えが返ってきました。

「人間の体は硬い種子を食べ慣れていないの。だからそのまま食べると体や消化に負担がかかる。種子や穀物類をスプラウティングすると、芽が出てとても栄養価が高い植物になる。吸収も消化も抜群で良い事だらけなのよ!」アガトいわく、スプラウティング=「種子」を食べ慣れた「植物」に変える作業なのだ。

芽を出すと種子や豆の中に蓄積してきた栄養素が新たなビタミンや栄養素に変化して、栄養エネルギーが最高レベルになるのです。と、そんな事を知ってしまったら、全ての種子や穀物類をスプラウティングしたくなってしまう!

もう何年も玄米はスプラウティングして炊いてるけど、他もやってみるとグングン芽の成長が観察出来て面白い!種子の状態や環境条件にもよるけれど、大体2〜3日で発芽してくる姿はなんとも可愛らしい。

ひよこ豆、大豆、白インゲン豆などは比較的簡単にスプラウティング出来ます。発芽したら、カレーやスープ、サラダのトッピングなど色々使えて便利。

黒豆もスプラウティング!これで黒豆煮を作るとぐちゃぐちゃになるのでおすすめしませんが、黒豆茶におすすめ。軽く炒ってお茶にして飲んで楽しんだ後、黒豆ご飯として炊きます。無駄なく完全なるホールフード!

一番コツがいるのは、キヌアのスプラウティング。あまりに小さいので芽が出るのか?と疑っていたけど、ちゃんと出ます!発芽したキヌアは、全ての必須アミノ酸、高プロテイン、植物繊維、鉄分が豊富な最強スーパーフードに変身。しかも発芽すると生でも食べれるので、そのままスムージーやサラダのトッピングにしたり。私は朝食のオートミールと一緒に軽く調理してから食べるのが好みです。

ちなみにかぼちゃの種は発芽しずらい種子の1つ。こちらはオーブンで海塩と少量のココナッツオイルと一緒にさっと焼いて、ヘルシースナックとして頂きます。

小さな種子に宿る、大きな生命力。

どんなものにも命が宿り、食べることは命(エネルギー)を頂くと言うこと。袋や容器の中で静かに長期間眠っている種子や穀物でも、溢れんばかりのエネルギーが詰まっています。スプラウティングをしてその栄養素を最大限に目覚めさせてあげる事を心掛けてみませんか?

因みに、貴重な栄養素を壊さない為にもなるべく火を通さないか、46度以下で軽く調理する位で頂くのがおすすめです。

Potato Diary

「直心是道場」(じきしんこれどうじょう)と言う禅語を本で読んだことがあります。「大切なことは環境を整えることではなく、志を持つこと」と言う意味ですが、その言葉を胸に、今年の夏は自宅のバルコニーで小さな家庭菜園に励みました。

家庭菜園には庭が必要。庭でなくてもせめてコミュニティーガーデンでやってみたい。バルコニーでは難しい。毎年いろいろな思いがありましたが、今年は思いつく野菜を自由に育ててみる事にしました。

市販で購入したオーガニックのジャガイモに芽を生やしてしまったことがきっかけで、ジャガイモ栽培を試みる事に。いざ、ジャガイモ栽培といってもすぐに出来る訳ではありません。種芋から育てるには時間とケアが必要です。芽が生えたジャガイモを日当たりの良い室内に2週間ほど置いて、さらに芽を成長させます。十分な大きさに育ったら、ジャガイモを半分に切り、発芽した芽が両方に2つずつ残っていることがポイント。切り口を炭でカバーし、更に2日ほど日光に当て乾燥させると種芋の出来上がり。

3週間の種芋製作後、54日に植え付け。ジャガイモは深さと大量の土が必要なので、バルコニーでも身軽に出来るようポリ素材の鉢を使用しました。しかもこの鉢は脇にジッパーで開閉できる「窓」が付いているので、土の中のジャガイモの成長を確認する事が出来てとっても便利!土は鉢一杯に入れるのではなく、最初は1/3程度でOK!その中に種芋を優しく植え付けます。

 

5月と言ってもここはバンクーバー 。冷え込む日もありましたが、10日程でなんとも可愛らしい青い芽が顔を出してくれました!

芽が出たら後は放置プレーでも、たくましく育ってくれるのがジャガイモくん。4日後にはグングン元気な姿に成長していました。

芽が15~20cmの高さになったら、「Mounting」と言う土を盛る作業をします。一番上の葉だけが見えるくらいまで土を被せ、ジャガイモの成長を促していきます。この作業を2回ほど繰り返したら、うちの鉢はもう一杯になってしまいました。

成長中のジャガイモはバルコニーに小さな緑のオアシスを作ってくれて、何とも気持ち良い~~。このままずっと緑でいて欲しいと思ったほど。お水は土の中に指を深く入れて、乾燥していればあげる程度でOK

収穫は120日後~様子を見て行いますが、7月半ばに1週間程留守にしたら何とあんなに青々しかったジャガイモの葉が一気にしな垂れていました。早いけど収穫のサインと判断し、水やりをストップして1週間ほど掛けて茎と葉がカラカラに枯れるのを待ちます。

早くも約90日間で第一弾収穫の日を迎えました。最初は手探りで、土の中にちゃんとジャガイモが育っているか、幾つあるかとドキドキしながら掘っていくとゴロッとした手探りが!しかも何個も!思わず歓喜の声を上げてしまった嬉しい瞬間でした!

この鉢からは大小のジャガイモ計15個収穫しました。

もう愛おし過ぎて永久保存したい位でしたが、食べられるために彼らも立派に成長してくれたのでありがたく頂きます。我が子の写真撮影を済ませて、ホヤホヤの新ジャガを頂きました。ジャガイモが華となるメニューを考えるのもまた楽しいものです。

2弾収穫日はその1週間後。こちらは小粒も多かったけど、大中合わせて20個ほど収穫しました!

驚いたのは親となった種芋が薄皮1枚のぺらぺらの姿になっていた事。栄養分を全て注いでくれた証拠です。ちなみにもう一つの鉢では跡形もなく土となり消えていました。

ジャガイモ栽培は何か一つの命のライフサイクルを短時間で目撃した気がして、ちょっと胸が熱くなりました。命を育てるとは本当に学び多いものですね。

やりたい事全てのものは、志があれば今その場でクリエイトすることが出来る。場所に囚われず今いる場所で、あるもので、何が出来るのか。クリエイティブな家庭菜園はまだまだ続きます。

Cherish Food Life

食材の鮮度=命をどう大事に長持ちさせるか?ロックダウンの日々の中で、スーパーマーケットに行く回数を減らす為、野菜を少し多めに買う事が多くなった私の最近のミッションです。

何年も前からバイブルの様な存在の「野菜の便利帳」は、100種類以上の野菜、果物、ハーブの効能や保存・調理方法が細かく記載されていてとっても便利!

私はお野菜を少し多めに買っては半分を冷凍保存します。そうすると1ヶ月はちゃんと鮮度を保つ事が出来ます。トマトの様な農薬が多く使われる野菜は、しっかりと残留農薬除去の一手間を加えてから丸ごと冷凍保存します。

キュウリの様な水分を多く含む野菜は、冷凍には不向きです。自家製ピクルスにしたりザワークラウトに入れたりすると、長期間美味しく頂けます。

自分でオーガニック野菜を買って冷凍保存用に仕込めば、市販の冷凍モノを買わなくて良いし、何より美味しくフレッシュな食感もキープ出来ます。長年大嫌いだったグリーンピースも自分で煮て冷凍したものを食べたら、甘くてホクホクしていてあまりの美味さにびっくり!!今まで市販のグリーンピースしか食べていなかったんだなと気がつかされました。

野菜は、栄養満点の糠漬けにもします。糠床に一晩漬け込む事で、ビタミンB110倍にも増えるそうです。その他にも植物性乳酸菌、タンパク質、カルシウム、酵素、鉄分など、体や免疫力、美肌に効果が期待出来るものが沢山揃っています。ぬか漬けを具材とした押し寿しにすると、とても華やかで立派なメイン料理ともなります。

根っこのついた野菜が手に入ったら、捨てずに水栽培するとグングンと新しい芽が出てきます。1番簡単な野菜は小ネギ。我が家はこの1年程、スーパーで$1程で買ったオーガニック小ネギを水栽培から土に植え替え元気に栽培しています。レタスも水栽培すると可愛らしい葉っぱが次々と育ってくれて、買い足す必要がありません。今年はバルコニーでじゃがいも栽培にチャレンジしてみようと、種芋も作っています。

また、最近ハマっているのがギー作り!オーガニック無塩バターで作るギーは、バターの中の水分と不純物を取り除いた純粋な油。アユールヴェーダでは「奇跡のオイル」と呼ばれています。料理にはもちろん、ビタミンAやビタミンEを多く含み、腸内環境を整え脂肪燃焼をサポートするなど、体の内側からあらゆる健康と美容のサポートをしてくれる!私は眼精疲労を感じた時に、ギーを目周りにマッサージして眠るのがお気に入り。そして、何と言ってもギーは常温で永久保存できる!消費期限が短いバターに比べて腐る事がないので、最高の保存食となります。

食材の命を伸ばすも縮めるも、自分次第。ちょっとしたひと工夫で、その命をありがたく長くいただく事ができます。ロックダウン生活を丁寧に、細く長く過ごす事はクリエティブでとても充実しています。

Mindful Face 4 – Appreciate the lucky things

顔面神経麻痺のリハビリの中で私にはラッキーな事がいくつもありました。

まず顔面麻痺専門医、Susan Rankin(スーザン・ランキン)さんが偶然にも近所のクリニックで働いていたお陰で、遠方に出向かなくても頻繁に通院することが出来ました。ラムゼイ・ハント症候群(RHS)発症後数ヶ月は、体力が落ち疲れ易かった為、近くに専門医がいたのはとても心強かったです。

そして、家族が100%のサポートをしてくれた事。毎回のリハビリセッションに必ず同行し、私の症状を自分の問題のように一緒に悩み、励まし、日々観察してくれた夫が常に隣にいてくれた事は、言うまでもなく最大のラッキーです。どんなに辛くても心細くても2人で一緒に歩めば怖くない。そんなかけがえのない心の支えが私を常に前向きにしてくれました。

また、メイクアップアーティストである私自身が自分を助けられた事。独自のリンパの流し方やマッサージの手加減など、表情筋の早期回復に大きく貢献してくれたと思います。右側半分が完全に動かない状態が1ヶ月以上続いたにも関わらず、幸い大きな歪みはなく筋肉の強張りも順調にほぐれて、「右の筋肉の方が左よりも柔らかいですね!」と日本でもカナダでも医師に褒められたほどでした。

毎朝毎晩のマッサージ。せっかく時間を費やすのであれば美肌作りも同時にしようとスキンケア効果の高いものを選ぶことで、リハビリの時間をお楽しみのセルフケアの時間にマインドチェンジすることも大切でした。

数々の美容オイルを試した中で、私のお気に入りとして定着したのは沖縄原産の月桃を使用した「Moon Peach(ムーンピーチ)」のサーキュレイトオイル。月桃はポリフェノール、ミネラルが豊富で、コラーゲン生成を促進する成分もあり美肌効果やエイジングケアはもちろん、鎮痛作用、抗炎症作用、筋肉痛の緩和、などの効果も期待出来ます。独特なグリーンの香りにも癒され、マッサージ中「ふぅ〜〜」とストレスや緊張を和らげてくれました。夜のマッサージには高い抗酸化作用と血行促進作用があるビタミンEオイルを数滴混ぜて、より効果的に肌を揉みほぐしました。(ビタミンEオイルは日光に弱いので、夜の使用をお勧めします。)お陰でフェイスラインは以前よりスッキリ、シミソバカスも薄れて、肌もモチモチをキープしています!

少し痛みや強張りが強く出た時は、カナダ先住民の民間療法でも知られるデビルズクラブの軟膏をつけることもありました。筋肉の深い部分にまで浸透しリウマチに効果があると言うこの薬草は、筋肉痛や関節痛の軽減、肌荒れにも役立つそうです。

また、この頃は外出時は勿論の事、家にいる時も珍しくメイクを心掛けていました。少しでも鏡に映る自分の顔を見栄え良くしたいと言う気持ちとイメージトレーニングの意味もあり、左右対称に見える様にバランスメイクを施していました。繊細な目元にはなるべくナチュラルな商品を選び、余計な刺激を与えないよう心掛けていました。腫れぼったかった右目には、ビューラーやマスカラを使用しない。その代わりにアイライナー、アイラッシュグルー、そしてアイブロウライナーの3セットはバランスメイクの必需品でした。あとはチークをワザと左右違う位置にフワッと載せたら均等な顔の出来上がり!

こんな事をしているうちに、メイクアップアーティストとして同じような症状で困っている人を少しでも助けられるのではないか、そんな気持ちが芽生えて来たのでした。この「Mindful Face」のジャーナルもその1つです。どんなに辛い時期でもその中に小さなラッキーを見つけることは、大きなポシティブチェンジの流れに変わって行くのだと、そう信じています。

注)これはRHSに対する専門的医療知識を提供するものではありせん。あくまでも個人的な経験を通して感じた事や学んだ事として参考にして頂ければ幸いです。

[ IN ENGLISH ]

I would like to share the many lucky things I experienced during my facial palsy rehabilitation. 

First, Sunsan Rankin, a facial palsy specialist, worked right in my neighbourhood.  Regular visits were required, especially at the onset of my condition.  Ramsey Hunt Syndrome (RHS) made me feel physically tired, so being in close proximity to her office reduced my travel burden and reserved my energy needed for healing.  

Second, I had (and still have) full and complete support from my family.  I cannot stress enough that this was the most luckiest thing of all; My husband was by my side every single step of this journey.  He worried, encouraged, and observed me as though facial palsy were his very own issue.

Third, the techniques I have learned being a makeup artist contributed to the upward momentum of my physical and mental well-being.  I was lucky to have the knowledge and history of my professional work to help me personally through my recovery.  I would like to explain more about this here.  I feel that my steady facial expression recovery was thanks in part to knowing how to drain the lymph nodes and knowing the right touch and pressure to work the flow.  Luckily enough, my face stayed pretty symmetrical and my facial muscle tension loosened up fairly quickly despite my right side being completely immobile for over a month. My facial specialists in Japan and Canada even pointed out that my right side felt tender and in better shape than my unaffected left side!  I took advantage of my everyday facial massage and made it fun as my own self-care beauty time. After trying out several massage oils, I made sure that the products I used had both therapeutic as well as skincare properties.

I want to introduce some of the products that I have used (Note: There is no monetary endorsement that I have received in sharing this info.  I just love them and want to share!).  

One of my favorite massage oils has been the Moon Peach`s “Circulate Oil”.  Another name for Moon Peach is Shell Ginger.  It is a wild herb commonly grown in Okinawa, a Japanese  island in the South Pacific Ocean. It is known to be very high in polyphenols and minerals.  It supports collagen levels in your skin, so it is often used as an ingredient in anti-aging beauty products. Shell Ginger also has pain relief, anti-inflammatory and anti-bacterial properties. Its unique and earthy aroma felt very relaxing to my daily stress from facial palsy, too. At night, I liked to combine it with Vitamin E Oil to help the benefits penetrate deeper into my muscle tissues. Vitamin E Oil is known for its rich antioxidant properties and promoting good blood circulation.(I recommend to use Vitamin E Oil only at night as it is sensitive to sunlight.) With all the massaging I have done, I have the secondary benefits of firmer skin, less visible dark spots, and skin that is plump to the touch – very lucky me!

When my pain and tension were more uncomfortable than usual, I applied a Devil`s Club Balm.  This is a healing herb traditionally used by our Canadian First Nation’s as a natural health remedy to provide relief for arthritis, sore muscles, joint pain and various skin conditions. 

It was important for me to feel good but I also wanted my face to reflect the goodness I was feeling.  I usually reserved makeup for when I went out but I noticed I made the effort to wear makeup while I was at home during my rehabilitation. This was my attempt to “feel good AND look good” about the reflection in my mirror.   It was important for me to see my facial structures balanced for visual image training as well. My right eye felt quite puffy and sensitive for a long period of time, so I preferred using clean and natural makeup products with no harsh chemicals.  I avoided using my eyelash curler and mascara. Instead, I creatively used the eyeliner pencil, eyelash glue, and eyebrow liner to balance my eyes.  I finished off my look with applying blush at different positions on the left and right cheek. Voila, that was enough to make my whole face look symmetrical!  I was so lucky to know the tricks of the trade.

The idea of helping others who are suffering from similar conditions came to light while I was going about my daily routine of facial massage and beauty care.  This “ Mindful Face” Journal has been a strong part of my own support system by being able to share and communicate my experiences.  I believe that when I can appreciate the little lucky things even during the toughest times, it can lead to big positive changes to my life.

NOTE: This is not a professional recommendation on how to deal with RHS, rather it is my personal journey through this rare condition. Everyone can have different experience and I am happy to share mine.

 

Mindful Face 2- Be Still

顔面神経麻痺の初期治療は、何か特別なことを「やる」より「やらない」姿勢がとても重要です。発症直後、ステロイドと抗生物質を72時間以内にスタートするのが一番効果的で、私はラッキーにも48時間以内に始めることが出来ました。これも日本の大学病院で異なる科を同日に受診し、直ぐに原因を突き止められたお陰。もし顔面神経麻痺を疑うことがあれば、まず耳鼻科を受診することをお勧めします。

特に、ラムゼイ・ハント症候群(RHS)は、いかに敏速に抗生物質とステロイドを飲んだかで劇的に後遺症を左右します。麻痺は毎時毎分どんどん形成されて行く為、早くステロイドを体内に入れ神経への深刻なダメージを最小限に抑えられるかにかかっているのです。そんな大事な薬物治療ですが、実はあっけなく10日間で終了。日本の医療ではこれ以上続けてもあまり意味がないらしく、後はただ自分の自然治癒力に委ねるのです。

「顔の筋肉が固まらないようにセルフマッサージは毎日優しくやってくださいね」と言われたのみ特別な指示もなく、ここから自分の顔と毎日密に向き合う日々が始まりました。「あとは治そうと言う意思がどれだけ強いか、ですかね」と、医師が何気なく言った一言がとても心に残った。ただし、「よし!治すぞ!」と張り切り過ぎてもNG。特に顔が再び動き出すまでは、EMS系の美顔器・マッサージ、鍼、無理矢理動かす、疲れさせる、などの行為は御法度です!!私も最初に顔が強張り始めた時、とっさにEMS美顔器を使いマッサージしてしまいましたが、それは絶対に避けて下さい。返って麻痺をひどくする可能性があります。

顔面神経麻痺とは顔の半分が圏外になっている様な状態。いくらコンセントを挿しても動くことはないのです。時間が経過し、もう一度圏内に戻ってくるまでただただ待つのです。そもそも顔面神経麻痺になるのは体が疲れて免疫が下がっている時なので、待っている間はリラックスして安静にしているのが一番!

しかし、自分と言うメイクアップアーティストは1人しかいないと言う厳しさと責任感を痛感したのもこの時。仕事で帰国していた故に、ようやく体を休められたのは発症後1週間ほど経ってからでした。そんな中、症状を知ったごく僅かな友人が勇気づけに来てくれたり、治療法を調べてくれたり、不安で心細くなった時、いつも心優しいサポートが周りにあった事は本当にラッキーでした。そしてある意味、仕事を続けた事も落ち込む暇などなく、気力を保ちポシティブでいれたのだと思います。

ただやはり、休むことが出来る状況なら安静をお勧めします。私自身、仕事が落ち着いてからは「自分ファースト」を徹底し、セルフケアに勤しみました。私が決めた「自分ファースト」の5か条は、

①暇さえあればハンドマッサージ(朝昼晩は特に念入りに)

②毎日お風呂に長めに入り巡りを良くする(45~60分)

③疲れを感じたら昼寝をし、夜23時前には必ず寝る

④極力PCや携帯を見ない(ブルーライトを浴びない)

⑤神経系、免疫、抗菌、身体に良さそうなハーブ、スーパーフード、サプリメントをなるべく自然な形で積極的に摂取(ビタミンB12、ビタミンC、オレガノオイル、チャガ、生姜、ターメリック、生姜梅番茶、豆タンパクなど)

徐々に体力が復活して来て更に追加した項目は、

⑥水蒸気温パック (朝昼晩3回)

⑦リンパマッサージ

⑧朝ヨガとウォーキング 

今振り返ると何か特別なものは一切なく、徹底的に、そしてより丁寧に自分の為だけの時間を持ち、心と体そして顔と会話しながら過ごす事を大切にしました。心掛ければいつでも誰でも出来る事。忙しい現代社会で雑になりがちな自分自身のリズムを整えてあげる事。そんな事を繰り返した1ヶ月目でした。

注)これはRHSに対する専門的医療知識を提供するものではありせん。あくまでも個人的な経験を通して感じた事や学んだ事として参考にして頂ければ幸いです。

[ IN ENGLISH ]

I have learned that there is more “don`t”s than “do”s at the first onset of facial paralysis. It is crucial to start both corticosteroids and antiviral medications within 72 hours of developing your initial symptoms.  I was lucky enough to start treatment within 48 hours.  I was in good hands at the ER department in a university medical center in Japan.  There were many specialists all in one location so it took only half a day to get my diagnosis. If you ever suspect that you have symptoms of facial paralysis, you should seek immediate medical attention.  If you do not know where to go, I would suggest to be seen by an otorhinolaryngology specialist. 

Timing is key, especially for Ramsey Hunt Syndrome (RHS).  I cannot stress enough that every hour and every minute that pass counts heavily. The faster you start the medication, the faster you minimize the nerve damage to improve your chance of recovery. My medical treatment for RHS lasted for a total of 10 days.  I was told by the Japanese medical doctor that my body’s natural healing capabilities are relied upon after the 10 day treatment period. 

The doctor instructed me to gently massage my face everyday to ease stiffness and tightening of the facial muscles.  I was surprised that there was no other special `do`s.  My last conversation with him ended with a memorable comment that my complete recovery was dependent on the strength of my will.  

I did learn that no matter how strong your will is and how quickly you want to recover that there are several “don’t”s that I encountered during my healing stage.  When my face first lost movement, I was in a state of panic and tried massaging my face with an EMS roller. That was big NO NO for me.  I needed to avoid any e-stimulations, acupuncture, forceful movement, stress and fatigue.  I found that when I started some healing modalities too early or too much, they did more harm than good for me.  With my facial paralysis, I found that I just could not force my face to move. It was like trying to use a mobile phone when it is out of the service area. I really needed to be patient until my nerves started to feel again. 

 My first few days into RHS was very challenging.  Being a makeup artist, I am hired for the unique skills that I personally offer.  I was fully booked in Japan for a few of my clients when the RHS happened.  It dawned on me that I was the only one who could finish the jobs that I had taken on.  There was no time for me to feel sorry for myself or get depressed.  I was determined to finish my jobs while I was getting treatment for my RHS.  I felt lucky to have supportive friends and family who gave me words of encouragement and looked up treatment remedies for me.  Having a circle of support helped me get through that stressful time.  It helped me keep my spirits up and I was able to complete my duties and responsibilities. It was after a week from the diagnosis that I was finally able to have complete rest.  I read that a lowered immune system from stress and exhaustion can cause RHS and I reflect back at that time.  I believe that plenty of rest and relaxation is some of the best medicine!       

Sometimes it’s hard to to get that rest when there is a lot of work but I felt I needed to put myself first if I wanted to get better.  So I created a “ME-First” self-care routine and religiously followed it every single day: 

Gentle hand massage on my face whenever I had a minute during the day.  I ensured longer and complete massages 3 times a day: morning/lunch/night) 

Take a nice warm bath for 45-60mins. 

Take a nap when I felt tired, and go to sleep before 11:00PM. 

Avoid using my PC or mobile phone as much as possible. (reduce exposure to blue light from electronic devices) 

Take herbs, superfoods, and natural supplements that would promote neurological health, boost immune system and overall health. (Vitamin B12, Vitamin C, organic oregano oil, chaga, ginger, turmeric, ginger plum tea, pea-protein, hot water, etc) 

When my body was recuperating and I started to feel better, I added a few more things to do onto my routine  

 Warm up with a steam facial mask 3 times a day. (morning/lunch/night) 

Lymphatic drainage massage

Morning yoga and walking. 

Looking back, my “ME-First” routines were not particularly special. Anyone can do it anywhere if one can become mindful to one’s own body, mind and face.  It taught me to value my own personal time every single day.  I make this sound very simple yet I know it can be a difficult thing to accomplish because of the busy lives we all lead.  But, I think I am important enough and I hope you feel that about yourself too.  I woke up each and every day with `ME-First` in mind and invited stillness and relaxation during my first month of RHS.  

NOTE: This is not a professional recommendation on how to deal with RHS, rather it is my personal journey through this rare condition. Everyone can have different experience and I am happy to share mine.

 

Circle of Life 2019 – Fall in Cheakamus

バンクーバーから海岸沿いを70km以上北上した場所に、Cheakamus Center (チェカムスセンター)はあります。昔は先住民であるSquamish Nation(スコーミッシュ族)が暮らした土地で、165ヘクタールもの広大な自然をノースバンクーバー教育委員会が所有し、子供から大人まで参加できる様々な自然&生態系教育プログラムを提供している貴重な場所です。

チェカムスは「行く」より「呼ばれる」と言った方が何だかしっくり来ます。実際、チェカムスの森は普通の森とはちょっと違って精霊が宿っている、そんな雰囲気が漂っています。

太古のままの原生林は根元から枝の先までびっしり苔に蒸され、

ふかふかな絨毯の様な柔らかい土とサーモンが遡上してくる清流があり、秘密の基地みたいな森全体が何か語りかけてくる、そんな魅力があるのです。

10月初め、2年に1度遡上してくるピンクサーモンがチェカムス川を賑わせている季節に、スコーミッシュ族のメディスンマン、Henry Williams(ヘンリー・ウィリアムズ)さんから12,000年以上も前から伝わる薬草について学ぶワークショップがありました。Devil`s Club(デビルズクラブ)と呼ばれるその薬草は、名前の通り強い毒性を持ち、釘の様なトゲで枝全体が覆われています。

そんな危険な外皮を剥ぐと、青々しい香りと共に鮮やかな緑色をした内皮が顔を出します。

何故かこの青い皮だけに様々な効能があるそうで、お茶、ティンクチャー、バーム等にして、主に痛みを伴う病気や怪我、そして炎症などに効果があるそうです。北米ではアラスカ人参とも知られています。

現代社会に生きて来たヘンリーさん。奥さんの持病がきっかけで、忘れかけていた先祖の知恵が詰まった薬草療法の道に再び戻って来たそうです。森からの恩恵は偉大である。そんな語らいの中で、「デビルズクラブはマザー(母体)を残して刈って下さいね。また成長させないといけないからね。」と教えるヘンリーさんの柔らかい言葉に、先住民と自然界はお互いを敬い、とてもバランスのとれた関係性であることを垣間見ることが出来ました。

次にチェカムスに呼ばれたのは、1ヶ月後。森とサーモンについて学びに行きました。

前回のピンクサーモンに代わりシロサケが川に帰って来ていて、それを狙って西海岸中の白頭鷲がこの周辺に大集合!いつもは「見れてラッキー!」な鷲が、頭上を見渡すとあちこち優雅に秋空を仰ぐ姿がありました。

「わぁ!サーモンの匂いがする~!」と、一緒に参加していた地元の小学生くらいの女の子。森の中で学習しているとサーモンの香りが自然と分かるんだな、と感心してしまいました。チェカムスの森は10月から1月までの間、サーモンの香りが漂います。それは産卵を終えたサーモンや餌として食べられたサーモンの死骸が川岸に打ち上げられているからです。

死骸と言うより綺麗に食べられたサーモンは、まるで化石みたいに骨だけになっています。何て無駄なく食べるのだろう!!と思わず感動する程。

更に、この時期に転がっている骨のほとんどは先月勢い良く泳いでいたピンクサーモンと聞いてびっくり!死を迎えた跡のすぐ横で、別の命の群れが続き懸命に泳いでいる。。。生と死をチェカムス川の岸辺でリアルに見せつけられました。

でも悲しい死ではありません。サーモンの残骸は、川や海の栄養分となります。サーモンを食べた鳥や動物のフンは、森を豊かにします。白頭鷲は高い木の枝で優雅に食事をするのがお好みらしく、木の上でサーモンを食い尽くした後、ポトンと下に落とす事で土を育てます。

こうして川や海、そして森へと散らばったサーモンは自然界を豊かにしながら命のバトンを繋いで行くのだ。。。もちろんその昔、先住民もサーモンのお陰で冬が越せたそうです。生命の輪がリアルタイムで繰り広げられるチェカムスの森は、人間が忘れかけている大事なレッスンを教えてくれます。

自然の営みを今後もずっと紡いで行く為に、人間は何が出来るだろう?そんな問いかけをチェカムスの森は私達にそっと提示しているのかも知れません。都市に帰れば、車が走り、ネオンが瞬き、デジタル社会の真っ只中にいる生活だけど、ほんの少し足を伸ばしたその先には太古のリズムが昔から変わることなく繰り返されている。自然界では当たり前の生命の輪を目の当たりにすると、何故か背筋がシャンとする。その感覚を再確認するのがとても大切な気がして、またチェカムスの森に呼ばれたいと思うのです。

Photo by YUSHiiN

Island Way of Life

1年に1島、島を巡る。そんな目標が出来たのは、ブリティッシュコロンビア州だけでガルフ諸島と呼ばれる島々が実に200以上もあるからです。バンクーバーから比較的アクセスしやすいサザンガルフ諸島だけでも7島あり、それぞれ独特の島文化が根付いています。

島に生きるとは?最近訪れたガリアノ島に魅了され、よくそんな事を考えます。ガリアノ島はサザンガルフ諸島の1つで、全長27.5km、幅は一番広い場所で6kmと細く長い形をした島。人口1,000人程が暮らしています。

この島には私達が日常的に目にするコマーシャルなモノは一切存在しません。ガソリンスタンド1件、グロッサリーストア3件、ATM3件、カフェもレストランも全ての商業施設は個人経営。もちろんスタバもマクドナルドもありません。病院もなく、ヘルスケアセンターと言われる簡易的なものがあるだけ。医者にかかる事になったら近くのバンクーバー島までエアバスで搬送されるそうです。

夏の観光シーズンの賑わいも消え、秋は静かに冬に向けての準備期間。お店も冬季閉店する場所もあります。

ランチタイムの11:30-2:00しかオープンしない(しかも週4日、たまに急用で休業)ローカルに大人気のFlying Black Dog。外に可愛いイートインスペースが設置してあり、こちらのバイソンバーガーは絶品!なのですが、こちらもそろそろシーズンクローズです。

最近の旅のテーマは「何もしない」こと。ガリアノ島は自然以外本当に何もないので、強制的にゆっくりさせられます。メインロードは縦に1本、信号のない道が走っているだけ。日中でも対向車に出会すことは滅多にありません。出会うのは鹿くらいで、地図がなくても大抵の場所に辿り着けます。

商業的な要素はゼロですが、ガリアノ島は美しく魅力溢れた海に囲まれています。

小さいにも関わらず島全体で73箇所もの公共ビーチアクセスがあり、この数は他のサザンガルフ諸島の島々に比べると驚異的な数!

その理由はガリアノ島の自然は皆で共有するものとして島全体で守っているからだそうです。

特にガリアノ島が面している海は、クジラやシャチが頻繁に行き交うActive Pass(アクティブパス)と言う貴重な海峡があることでも有名です。

私もハイキングで登ったMt. Galiano(マウントガリアノ)の頂上から広大なブルーの海原を悠々と泳ぐクジラの姿をキャッチしました。そんな光景が当たり前のように飛び込んでくる島の世界観が余りにファンタジーで、しばらく興奮が冷めませんでした!

美しい自然は個人レベルでもシェアします。近隣の人達に楽しんでもらえるよう開放している個人所有地もあります。「Talking Trees」と名付けられたトレイルは、80歳になるお婆さんが所有する壮大な土地の中にあってローカルは誰でも自由に歩けます。10分ほど行くと美しい眺めの海岸に出てとても気持ち良い場所です。

週末に開かれる可愛らしいサタデーマーケットは10店ほどのお店が集まり、それぞれの物語が詰まった商品が沢山並んでいました。人気が集中している老夫婦が作るベーカリーは朝イチに並ばないと直ぐに売切れてしまいます。

丹精込めて収穫されたオーガニック野菜や、環境と体に優しいソイキャンドル等、みんなゆっくり会話を楽しみながら作業するのでお店ごとに話し込んでいると結構な時間が経ってしまいます。

島人はほとんどの人が知り合いで、名前を言うと「ハイハイ!〇〇さんね!」と分かってしまう程。

滞在先のキャビンは、更に人里離れたノイズレスな環境へ。

ゲートを越えて一山登ったその先は、オーナーのメインハウスとキャビン以外文明の気配は消え、羊と朝食の卵を産んでくれる鶏のみ!去年の冬は大雪で山から降りれず4週間も自宅から出られなかったそうです。

キャビンから続く幾つものトレイルを気の向くままに散策したり、

夕日を眺めながら大好きなワインを楽しんだり、

夜は風の奏でる音に耳をすまし、暖かく燃えるシダーウッドの香りに癒されたり。人工的な音を遮断して流れ行く時間はとてもシンプルで最高の贅沢に感じます。

島の生活は不便であり、想像以上の困難も沢山あるはず。でもそこにはお金やモノでは代え難い、自分らしい幸せがあるのではないでしょうか。

島と言う限られたスペースと資源の中だからこそ、人はよりクリエイティブに、そして助け合いと分かち合い豊かな精神を持って生きられるのかもしれません。そんな精神がこの地球に住む11人が育めたら何て素敵だろう。

眺めの良い丘で大型フェリーが行き交うのを見て、ガリアノ島の人達は便利さを恋しく、都会を恋しく想うだろうか?答えはきっと決まっているでしょう。

My hidden gems

人に教えたくない秘密の場所があるとしたら、それは間違いなくSunshine Coast(サンシャインコースト)でしょう。

夏の終わりに都市から遠く離れた静かな場所に行きたくなって、サンシャインコーストへキャンプに行って来ました。サンシャインコーストは半島ですが大陸と通じている道路がなく、交通手段はフェリーか飛行機のみ。半島の南部と北部さえも海で隔てられ、こちらもフェリーで移動します。

バンクーバーからまずフェリーでサンシャインコースト南部にあるLangdale(ラングデール)と言う港に行き、そこから車で北上すること1時間20分。更に別のフェリーに乗り継ぎ、サンシャインコースト北部のSaltery Bay(ソルタリーベイ)が今回の目的地。同じBC州内ですが、バンクーバーから実に4時間も掛かります。

そんな不便で陸の孤島のサンシャインコーストの魅力は北部から始まると言って良いほど、想像以上のパラダイスが待っていました。

キャンプ地はもちろん圏外。何か特別な観光ものがある訳ではないけれど、ため息が出るほどの美しい海とビーチ、そして陸には山々に包囲された無数の湖が点在していて、壮大な自然のアドベンチャーランドです。

今回のテーマは「何も計画しないこと」。気の向くままにドライブして、目の前に飛び込んでくる景色を楽しみ、偶然見つけたビーチを散歩したり、キャンプ場の海辺でゆっくりピクニックを楽しんだり。

私はサンシャインコーストを「北のハワイ」と勝手に呼んでいますが、この地域の海は透明度抜群で、海水もぬるめ。鮮やかなエメラルグリーンやトルコブルーに輝く海に飛び込まずにはいられません。

海辺には、何十回も繰り返し素潜りの練習をしている頬笑ましい親子がいたり、読書をしている人や、近隣からカヤックでやって来てお昼寝してたり、それぞれが思い思いに夏の1日を過ごしています。

サルタリーベイから車で34km程北上すると、Powell River(パウエルリバー)と呼ばれる古き良き可愛らしい田舎町があります。田舎町と言っても19世紀には豊かな森林源を生かしたパルプ産業が栄え、世界的に紙の生産を支える産業都市として成長を遂げていた時代も。豊かな海洋生物が生息する海では時折イルカやクジラが目撃されるそう。

ローカルに勧められたPowell Lake(パウエルレーク)の湖畔に小さなビーチがあり、周りの針葉樹がそのまま溶け込んだようなモスグリーンの湖水の中でのんびりと泳いで、本当に気持ち良い場所でした。

ひと泳ぎしたら半島北部の最終地点、Lund(ランド)へ。ここはサンシャインコーストを一線で繋ぐ約156kmのハイウェイ101が終わる所です。ランドから内陸に10分ドライブするとOkeover Arm Provinciual Park(オケオーバー・アーム州立公園)があります。

長い入り江に面したこの州立公園は、カヤックやヨットマンにとって憧れの場所、「この世の天国」とも呼ばれる壮大なフィヨルド地帯に広がるBC州最大の州立マリンパーク、Desolation Sound Marine Provincial Park(ディソレーション・サウンド・マリーン州立公園)の入り口でもあります。

引潮の浜辺で、ローカルのグループがしゃがみこんで一生懸命に砂を掘っているので尋ねてみると、なんとオイスターとアサリが獲れると!バケツ一杯に入った大量の貝を誇らしげに見せてくれました。

試しに手でちょっと掘ってみると、XLサイズのアサリがゴロゴロ出てくる、出てくる!!何十年ぶりの潮干狩りを思いもよらず一緒に楽しませてもらいました。(注:海や川で海産物を獲るにはBC州のフィッシングライセンスが必要です。)

この日の夜の食卓に並んだのは、もちろん、掘ったアサリのビール蒸しと帰り道に地元の漁師ファミリーから購入した見事なハリバット(大鮃)のステーキ!!その日の恵みをその日に頂く贅沢なご馳走に大満足。

豪華ディナーの後は、お決まりマジックアワーの時間帯。まだ日も長く午後8時半過ぎが日没です。自然が染め上げる空のファンタジーは飽きる事がありません。

そして、この日は丁度満月の前夜。薄暗くなって来た夜空に浮かび上がる山のシルエットから太陽のように輝きながら、神々しく昇って来る月を見た瞬間、何事かとびっくりしてしまいました。鏡の如く静止した海面にムーンロードが照らされ、その光景があまりにも幻想的で平和で、違う時空に迷い込んだかのような、心から感動した夜でした。

食べて、泳いで、寝て、歩いて。。。何も特別なことをしないシンプルな時間こそが最高に贅沢な時間なのだと、サンシャインコーストは教えてくれます。いつもここに来ると魔法のような美しい世界が待っています。

それは、道に迷って偶然たどり着いた景色が一番のお気に入りとなるような、そんなささやかなプレゼントを与えてくれる秘密の楽園なのです。

Summer Abundance

生命の豊かさを感じる季節。それがバンクーバーの夏です。

7月中旬から8月初めまで本格的な夏を迎えたバンクーバーでは、花々が咲き乱れ、様々な種類のフルーツや野菜が収穫され、彩り濃くキラキラ輝く時期です。職業柄、カラフルな色彩に心惹かれるので、特に夏に咲く花の種類と鮮やかさには驚きます。初めて出会う花も多く、花の名前が写真で分かる携帯アプリを入れた程でした。

農作物も一気に賑やかになります。夏の間は出来るだけファーマーズマーケットで新鮮でお手頃な野菜を調達する様にしています。毎週土曜日にアボッツフォードからやって来る家族経営の小さなオーガニックファーム, Close to Home Organics がお気に入り。マーケットが始まる10時前に毎度長蛇の列になる人気店で、朝一で買い出しに行きます。

ちょっと変わったお野菜も並び、詳しく調理法も教えてくれるオーナーの丁寧な人柄がとても素敵。顔馴染みの常連さんには「See you next week!」と挨拶を交わし、そんなコミュニケーションが取れるファーマーズマーケットが大好きです。

マーケットだけでなく、自分の手で夏の恵みを得ることも出来ます。夏はベーリーシーズン。ストロベリーに始まり、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーとどんどんピークを迎えます。

今年初めて行ったブルーベリーピッキングは、自分が獲った分だけのブルーベリーの量り売りをしてくれます!カゴ一杯に摘んだ3ポンド程(約1.4kg)のブルーベリーが何と7ドル程!青空の下、広大なブルーベリーファームでのピッキングは何ともメディテーションに近い心地よさを体験させてくれました。

大量に持ち帰ったブルーベリーはやはりフレッシュで頂くのが最高ですが、残りはタルトにしたりマフィンにしたり。手積みした可愛らしいブルーベリーだけに、どう美味しく頂こうかと料理の時間も一層楽しくなります。

家のバルコニーで細々とやっている家庭菜園では、今年はきゅうりとミニトマト、レッドチリペッパーの収穫に成功しました。

特に真っ先に実った野菜を1粒手にする時の達成感と、「大きくなってくれてありがとう~~♡」と思わず口にしてしまう愛おしさはたまりません。不揃いなれどそれも個性と、愛着が湧きます。

ご近所さんから頂いた豊作のお裾分けも食卓を賑やかにしてくれます。

街の歩道には通行人が誰でも自由につまみ食い出来るベジタブルガーデンが設置され、ガーデニングを誰でも気軽に楽しんで貰おうと粋な試みも。If you are hungry, take a bite!」(お腹減ってたら、一口どうぞ!)と言うメッセージが微笑ましい。

レストランやカフェでも自家菜園で採れた野菜を提供するお店も多く、とにかく生命感に溢れる夏のバンクーバー。

真夏の太陽と共にやって来る沢山のカラフルな命は、一瞬で過ぎ去る短い夏だからこそ、より鮮やかにエネルギッシュに見えるのかもしれません。

来年の夏は、人にお裾分けできるくらい収穫出来る腕前になりたい、と夢膨らませています。

 

Beach Camping

夏至も過ぎてバンクーバーにも本格的なサマータイムがやって来ました。そして、待望のキャンプシーズン到来!

今年の初キャンプは自宅から車で40分程のPorteau Cove Provincial Parkへ。ここはHowe Sound(ハウサウンド)と言う海峡に面した絶景のビーチキャンプが楽しめて絶大な人気があるキャンプ場です。予約が取れたら超ラッキー!予約受付開始の4ヶ月前に問い合せても、既に埋まっているほどの激戦地なのです。

都市のすぐ背後に素晴らしい大自然が鎮座していて、海も山も楽しめる。この都市と自然の距離感がバンクーバーの最大の魅力です。

大自然の中でのキャンプは、気づけば私の中で最高に贅沢なホビーになっています。一箇所にとどまり、ただ刻々と流れゆくものを眺める時間ほど特別な過ごし方はありません。同じ場所でも朝・昼・晩と全く違った表情を魅せてくれる自然のシアターを見ている時間がとにかく大好きで、ゆっくり読書でもしようと持参した本さえ開くことはまだありません。笑

今回は初のビーチキャンプだったので、その楽しさは更に新鮮でした。目の前の海と空のパノラマパラダイスにかぶりつき放題!なのですから。

朝は静寂な時間。いきものの活動が始まる前の鏡のごとく静かな時間です。そんな何の気配も感じないフレッシュな景色を目撃するのは、ちょっぴり得した気分になります。

昼は眩しく賑やかな時間。風も波もエネルギッシュに動く時です。

テントを張り始めたのは昼の1時過ぎでしたが、暴風と言わんばかりの強い風。作業にどっぷり2時間弱も掛かり、万が一の雨用に持ってきたタープを風よけにしなければテントが吹っ飛ばされる勢いに圧倒!!

夕暮れ時は1番儚く、惚れ惚れする時刻。

私が一番好きな時間帯です。

日中遊んでいた海鳥たちが巣に帰る準備を始め、空のキャンバスでは毎分変わっていく色の芸術がゆっくりと繰り広げられます。気がつけば嘘の様に風が止み、潮も満ち、白い星がうっすらとチラつき始め、キャンプ場の彼方此方でパチパチとキャンプファイヤーの音が。薪の音と炎の灯だけを残して、辺り一面黒のカーテンに包まれ始めると夜になります。

そんな時を繰り返し過ごしていくと自分も自然の日課の一部に溶け込んでいるようで、大きなゆりかごの中のいきものの存在の小ささと尊さを感じます。

キャンプ場に立つテントも人間も本当に小さな小さな点の存在。

都心では気づかない、言葉でも表現しずらいそのスケール感を体感することはとても大事なライフレッスンではないでしょうか。キャンプを通して知るカナダの壮大なビューティー(美)にいつも胸一杯になり、また、この夏はあと何回行けるだろうと数えずにはいられません。

Slow Life is Busy Life

春が来たと思ってあれこれ過ごしているうちに、夏がやって来ました。バンクーバーの夏は最高の季節です。気温は25度前後ですが日差しが強いので、ジリジリと焼けるように結構暑さを感じます。そして、夜は21時過ぎまで明るい空に誘われて、1日を長く思いっきり楽しめる季節です。

我が家のバルコニーでは冬越えしたハーブ達が青々と生き返り、トマト、キュウリ、長ネギなど家庭菜園している野菜も、太陽が強いおかげもあって、1日でぐんぐん成長していきます。その成長を見ているだけで可愛らしいものです。

新鮮なレモンバームとミントを摘んではよくお茶にしています。レモンバームは自律神経や体の不調を整える効果だけでなく、抗酸化作用によるアンチエイジグ効果や冷え性の改善も期待できる万能ハーブ。フレッシュなグリーンイエローの色と香りにもとても癒されます。

日々の「食」は「スローフード」を心掛けているせいか、何もない日は、1日のうち半分以上はキッチンで過ごしているかもしれないと思う程、食いしん坊はやることがいっぱい!

最近、アーモンドミルクをまた作りはじめました。市販のアーモンドミルクはアーモンドよりも他の原料の方が多く、数%しかアーモンドは入っていません。自分で作るアーモンドミルクは100%アーモンドのみ!!

一晩水に浸したローアーモンドの皮を剥き、フードプロセッサーで砕いてから布で絞ると、真っ白なきれいなミルクが獲れます。

保存料はもちろんないので4−5日で消費しますが、グラノラに入れたり、チャイやホットチョコレートに合わせたりと色々と楽しめます。

朝食のグラノラも手作り。以前ソルトスプリング島のAirbBBのオーナーさんから教えてもらった秘伝(?)のグラノラレシピがお気に入り。ひまわりの種、かぼちゃの種、ココナッツチップ、カシューナッツ、オーツ麦、クランベリー、レーズン、ゴマ、ハニー、などを混ぜ合わせてオーブンでこんがり焼くだけ。もちろん、素材は全てオーガニック。種&ナッツ類はロー(生)のものを選びます。

春先には初めてチックピー(ひよこ豆)でお味噌も仕込みました。大豆や麦で作る味噌とは違って、ちょっと甘めでまろやかな白味噌っぽい味になるのでお気に入りです。

市販のチックピー味噌は少々お高く、量も少なめなので自分で作るのが一番!大豆製品に偏りがちな日本食からちょっと一休みしたい時にもオススメです。

水は水道水から直接飲めますが、カルキ抜きのために我が家は竹墨を入れたウォーターディスペンサーを使用しています。(お隣はコンブチャ!)

竹墨は木炭より水の浄化に優れていて、水中の汚れや化学物質を吸収するだけでなく、炭の成分が溶け込みミネラル豊富なバランスよい水を作ってくれます。毎晩新しい水を組み直すひと手間はあれど、この水は毎日の健康的な飲料水、そして料理用水として欠かせません。

スローライフとは、誰もが優雅でゆったりとした時間を想像するかもしれませんが、とんでもな〜い!!スローだからこそ、何気ない小さな手間暇かかることが沢山あって、干したり、耕したり、洗ったり、摘んだりを繰り返しているうちにあっという間に時間が過ぎてしまいます。

スローライフは実はとっても忙しい。でも、手作業から芽生える愛着と、美味しくできてくれてありがとうという喜びが、そのものを特別なものにしてくれます。

都市に住む生活の中で少しでもスローライフをクリエイトしていきたいです。

The Making of Wild Hill

ソトコト」4月号にて、バンクーバー島にあるオーガニック・スキンケアブランド、「Wild Hill Botanicals」を紹介しています。ローカルコミュニティーとサスティナビリティを高く意識しながら、自分たちの住む土地と向き合い、その恵みを丁寧に詰め込んだとても愛らしいブランドです。

沢山のオーガニックと名乗るブランドが出回る今、その土地でしか出来ないモノつくりと時間をかける手作業の大切さをしっかりと打ち出した、希少なローカルブランドです。

『「Wild Hill Botanicals(ワイルド・ヒル・ボタニカルズ)は、カナダのバンクーバー島南西部にある海辺のリゾートタウン、スークの更に奥地の森の中に、ひっそり佇むオーガニック・スキンケアブランド。営むのは、長年アメリカに住んでいたカップルだが、夫がサーフィン好きという理由でここを移住先に選んだそう。

スークは海と山の豊かな自然に恵まれ、フードカルチャーも盛ん。世界的にも有名なホテル「Sooke Harbour House」のレストランを目指して、食事だけのために訪れる人も多いという。近年では、「Wild Mountain」というスローフード&地消地産をコンセプトにしたローカルレストランも密かに話題を呼んでいる。

「Wild Hill Botanicals」の原点も、池や畑がある広大な敷地にアヒルを飼育し、その卵を売っていた「Wild Hill Farm」という農家だった。ファームで育ったハーブで芳香蒸留水をつくり始めたのをきっかけに、本格的なスキンケアブランドへと成長していった。バイオダイナミック農法に基づいて育てたハーブは、色も香りも格段に華やか。それから蒸留される芳香蒸留水は、エッセンシャルオイルよりも刺激が少なく、アロマセラピー効果も大きい。

そのほかの原料も、サスティナビリティを意識しながら、極力この土地の恵みを取り入れている。海で採れる海藻はマスクに、森の薬用キノコ・カワラタケはスクラブに、近隣に豊富に生息する抗菌作用が高い花・ファイアウィードは化粧水にと、商品の蓋を開けるとスークの香りと景色がそのまま飛び出してくるかのよう。

シェフのごとく、ローカルに根付いた素材をメニューとして、スークならではの愛らしいスキンケア商品が「Wild Hill Botanicals」から生まれている。』

写真:佐藤裕信