月別: 2020年12月

Local Feast!

買い物をする度、BC州内で生産・製造されたローカル商品を意識的に購入する事で、個人が担うフットプリント(環境負担)の軽減に繋がるそうです。あるBC州のリサーチでは、個人消費のわずか10%がローカルビジネスに傾くだけで、雇用や利益の循環が生まれ、多国籍企業に比べ何倍もの経済効果が期待出来ると言われています。

私も日々、個人消費がローカルに向くよう心がけています。今年のクリスマスは80%ローカルを目指してお祝いしようと、様々なローカルビジネスからの食の恵みと面識ある彼らのストーリーを思い返しながら楽しみました。

初トライしたお手製パンプキンパイ。主役のパンプキンは、バンクーバーから車で約1時間の農業都市、Abbotsford(アボッツフォード)のオーガニックファームClose to Home Organics(クローズ・トゥ・ ホーム・ オーガニックス)より。オーブンが強かったか、ちょっとひび割れましたが優しい甘さのパンプキンパイが出来ました。

テーブルセッティングには、100%オーガニックリネンを扱うCloth Studio (クロス・スタジオ)のテーブルナプキンと、Reclaimed Print Co (リクレイムド・プリント社)の廃材を再利用したコースターをワイングラス用に添えてみました。どちらとも素朴だけど温かみある素材が大好きです。

アパレティフはオカナガンにあるワイナリー、8th Generation (エイスジェネレーション)から発泡酒、Integrityをチョイス。オカナガンの「プロセッコ」と親しまれ、ワインを仕込む過程で発生した炭酸をそのまま瓶詰めしているので、頭痛や嫌な膨満感が出ません。

アパレティフのお供は、Golden Ears Cheese Crafters (ゴールデンイアーズ・チーズクラフターズ)の牧草牛のチーズと、最近ハマっているオーガニックビーガンクラッカーのHippie Snacks(ヒッピー・スナックス)。チーズは普段あまり口にしませんが、このコンビが堪らなく美味しい!幾つでもいけちゃいます。

メインはもちろんチキンロースト。今年はノースバンクーバーにお店を構えるホルモンフリーでサステイナブルな食肉を扱うTwo Rivers Meats(ツー・リバーズ・ミーツ)のオーガニックチキンを丸ごと一匹焼き込みました。昔友人に教えて貰った秘伝のタレで漬け込む事3日間。失敗知らずのレシピとローカルスイートポテト&自家製ギーのマッシュ添え。

お野菜は大好物のローカル芽キャベツを2種類。カナダ先住民でLGBTQ経営者のOne Arrow Meat (ワン・アロー・ミート)のスモークベーコンと一緒にメープルローストした1皿と生サラダ仕立てにしたものを作ってみました。

チキンのお供にはオカナガンはMoon Curser(ムーン・カーサー)2018年シラーを。シラーだけどチキンに合うと言うレビューを信じちょっと冒険してみたけど、やっぱり重め。ワインのペアリングはやはり大事です。気を取り直して、8th Generation2017年メルローxカベルネソーヴィニヨンを開けました!シラーはシラーでとっても美味しいけれど、チキンにはこちらで正解!

そして、ディナータイムは終始、Hives 4 Humanity (ハイブス・フォー・ヒュマニティー)の手作りミツロウキャンドルの柔らかい光が、美味しい時間を美しく演出してくれました。

と、100%とは行かずとも大半ローカルで挑んだ今年の我が家のクリスマス。食事から装飾品まで自分が住む州内のものでほぼ完結出来るって、とても貴重で贅沢な事だと常々思います。「今日は何%ローカル達成~!」と毎日の消費行動に取り入れてみたら、知らずと楽しくローカルビジネスに貢献しながら自分のフットプリントも削減出来るのかも知れません。

注)食事を楽しむのに夢中で、写真がお粗末なのをご了承ください…(。-_-。)

Charitable Mind

クリスマスが近づくと、カナダでは様々な慈善活動や、寄付の話や、小さな人助けの話題が普段より目立ち始めます。今まで慈善活動と聞くと何だか敷居が高い印象がありましたが、今年はローカル支援プロジェクトVOICEを通じてチャリティー団体への寄付など、「人助け」についてより具体的に考えるきっかけが増えました。また、自らの活動を通して別の素晴らしい活動とを知る貴重な機会にも恵まれました。

移民国家カナダは、国民の5人に1人が移民と言われています。「多様性は国の力」と寛容な移民政策を掲げ、特にこの数年はシリアからの難民や移民を公約の25,000人以上受け入れて来ました。バンクーバーでも、さすが移民の国カナダ!と感心させられるローカル事業があります。

バンクーバー在住のシリア難民女性の経済的自立と社会的融合を手助けするTayybeh(タイベ)」母国を追われ、新天地のバンクーバーで何が出来るのか。深い悲しみと無力さと戦う女性達の為に料理を作る場所を提供すること、それがタイベの目的です。

タイベとはシリア語で、シリア人女性が共同で料理をすると言う意味があるそうです。シリアの女性はとにかく料理に情熱的で、母国では家族に限らず親戚やご近所の為にも四六時中キッチンに立って沢山の料理を作るそうです。大勢が食事を囲みながら賑やかに食べるのがシリアの文化で、シリア人女性達はその食を提供することに強い誇りと情熱を持っています。

各家庭に伝わる秘伝のレシピやお気に入りの伝統料理をタイベの共同キッチンで作り、ケータリングサービスやオンラインデリバリーなどでバンクーバー市民に提供しています。シリア料理は、大勢で取り分けられる様な豆のサラダ、ディップ、ミートボール、野菜やチーズが詰まったペイストリーなど日本人の口にも合うものばかり!

共同キッチンでは喪失感や孤独感から解放され、想像を絶する苦境を経てバンクーバー に辿り着いたシリア人女性の新たな交流の場にもなっています。タイベで働く女性は皆働くことが初めてと言います。仕事をする楽しさを学び、仲間同志で交換したレシピを家に持ち帰っては、また料理に励むのだそうです。タイベの料理をオーダーし食べること、それはシリア難民女性の自立に貢献すること。新しい人生を切り開いて行こうとするたくましい女性の姿がそこにはあります。

今年は、もう1つ違う慈善団体と出会いましたHives for Humanity(ハイブス フォー ヒュマニティー:以下 、H4Hと言う、地元で養蜂とその蜂蜜を商品にしている団体です。キャッチーな名前と目を引くモダンなパッケージで、地元のスーパーマーケットやレストランなどでも取り扱われています。私も以前から興味はありましたが、「ローカルハニーのブランドね」位の意識しかありませんでした。

バンクーバーのダウンタウン東側は、ホームレスや麻薬中毒者が集まる非常に治安が悪い地域で知られています。H4Hのオフィスはそのすぐ側にあり、21箇所ある彼らの養蜂所の多くもその近所に開設しています。社会から疎外された人達に自然と触れ合うガーデニングと養蜂の仕事を教えて、彼らの心を癒し更生するきっかけを作る立派な目的があります。

植物を育て、蜂蜜を作り、ミツロウでバームやキャンドルを作る作業は「自分の日常にとても癒しをもたらしてくれる」と皆、口を揃えて語ってくれます。行き場所を失った彼らが、力を合わせて立ち直る道を選び、懸命に自分たちのペースで社会復帰を目指す姿はとても胸が熱くなりました。

「人助け」は、使命を持って組織的に取り組むこともあれば、11人が小さな意識を持つだけで貢献することも出来るはずです。慈善活動のストーリーを知ることで、店頭で彼らの商品を見かけたら買って応援してあげる。食べて応援したり、友人との会話の中で彼らの活動を拡散することだって出来ます。人を助ける姿勢に大小はなく、実はとてもシンプルな気がします。そして、支援される側も自らの力で変わろうと努力している姿を想像してあげること。そんな小さな循環が紡がれるカタチが、「人助け」なのではないでしょうか。

インタビュー記事はこちらから⬇️

Tayybeh(タイベ) : VOICE-90 ①  、

Hives For Humanity (H4H): VOICE-96 ①、

Interview Photos by YUSHiiN LABO