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Circle of Life 2019 – Fall in Cheakamus

バンクーバーから海岸沿いを70km以上北上した場所に、Cheakamus Center (チェカムスセンター)はあります。昔は先住民であるSquamish Nation(スコーミッシュ族)が暮らした土地で、165ヘクタールもの広大な自然をノースバンクーバー教育委員会が所有し、子供から大人まで参加できる様々な自然&生態系教育プログラムを提供している貴重な場所です。

チェカムスは「行く」より「呼ばれる」と言った方が何だかしっくり来ます。実際、チェカムスの森は普通の森とはちょっと違って精霊が宿っている、そんな雰囲気が漂っています。

太古のままの原生林は根元から枝の先までびっしり苔に蒸され、

ふかふかな絨毯の様な柔らかい土とサーモンが遡上してくる清流があり、秘密の基地みたいな森全体が何か語りかけてくる、そんな魅力があるのです。

10月初め、2年に1度遡上してくるピンクサーモンがチェカムス川を賑わせている季節に、スコーミッシュ族のメディスンマン、Henry Williams(ヘンリー・ウィリアムズ)さんから12,000年以上も前から伝わる薬草について学ぶワークショップがありました。Devil`s Club(デビルズクラブ)と呼ばれるその薬草は、名前の通り強い毒性を持ち、釘の様なトゲで枝全体が覆われています。

そんな危険な外皮を剥ぐと、青々しい香りと共に鮮やかな緑色をした内皮が顔を出します。

何故かこの青い皮だけに様々な効能があるそうで、お茶、ティンクチャー、バーム等にして、主に痛みを伴う病気や怪我、そして炎症などに効果があるそうです。北米ではアラスカ人参とも知られています。

現代社会に生きて来たヘンリーさん。奥さんの持病がきっかけで、忘れかけていた先祖の知恵が詰まった薬草療法の道に再び戻って来たそうです。森からの恩恵は偉大である。そんな語らいの中で、「デビルズクラブはマザー(母体)を残して刈って下さいね。また成長させないといけないからね。」と教えるヘンリーさんの柔らかい言葉に、先住民と自然界はお互いを敬い、とてもバランスのとれた関係性であることを垣間見ることが出来ました。

次にチェカムスに呼ばれたのは、1ヶ月後。森とサーモンについて学びに行きました。

前回のピンクサーモンに代わりシロサケが川に帰って来ていて、それを狙って西海岸中の白頭鷲がこの周辺に大集合!いつもは「見れてラッキー!」な鷲が、頭上を見渡すとあちこち優雅に秋空を仰ぐ姿がありました。

「わぁ!サーモンの匂いがする~!」と、一緒に参加していた地元の小学生くらいの女の子。森の中で学習しているとサーモンの香りが自然と分かるんだな、と感心してしまいました。チェカムスの森は10月から1月までの間、サーモンの香りが漂います。それは産卵を終えたサーモンや餌として食べられたサーモンの死骸が川岸に打ち上げられているからです。

死骸と言うより綺麗に食べられたサーモンは、まるで化石みたいに骨だけになっています。何て無駄なく食べるのだろう!!と思わず感動する程。

更に、この時期に転がっている骨のほとんどは先月勢い良く泳いでいたピンクサーモンと聞いてびっくり!死を迎えた跡のすぐ横で、別の命の群れが続き懸命に泳いでいる。。。生と死をチェカムス川の岸辺でリアルに見せつけられました。

でも悲しい死ではありません。サーモンの残骸は、川や海の栄養分となります。サーモンを食べた鳥や動物のフンは、森を豊かにします。白頭鷲は高い木の枝で優雅に食事をするのがお好みらしく、木の上でサーモンを食い尽くした後、ポトンと下に落とす事で土を育てます。

こうして川や海、そして森へと散らばったサーモンは自然界を豊かにしながら命のバトンを繋いで行くのだ。。。もちろんその昔、先住民もサーモンのお陰で冬が越せたそうです。生命の輪がリアルタイムで繰り広げられるチェカムスの森は、人間が忘れかけている大事なレッスンを教えてくれます。

自然の営みを今後もずっと紡いで行く為に、人間は何が出来るだろう?そんな問いかけをチェカムスの森は私達にそっと提示しているのかも知れません。都市に帰れば、車が走り、ネオンが瞬き、デジタル社会の真っ只中にいる生活だけど、ほんの少し足を伸ばしたその先には太古のリズムが昔から変わることなく繰り返されている。自然界では当たり前の生命の輪を目の当たりにすると、何故か背筋がシャンとする。その感覚を再確認するのがとても大切な気がして、またチェカムスの森に呼ばれたいと思うのです。

Photo by YUSHiiN

A Journey of Pilgrimme – part 2

Pilgrimme(ピルグリム)のシェフ、Jesse McCleerly(ジェス・マックリーリー)の1日は朝の8時、淹れたてのコーヒーと共に始まります。レストランの営業日はそこからノンストップ。夜中までひたすらキッチンに立つのです。休日は買い出しや仕込みに追われ、5月に読み始めた村上春樹の小説も1ページもめくれない忙しさ。

そんな多忙なシェフを支えるように、農家や近隣の住人が家庭菜園で採れた珍しい食材をひっきりなしに運んでくれます。全員の収穫をどう平等に取り扱うかが至難の技で、「とても贅沢な問題だけど…。」と笑って返すシェフに、島の人達は「来年はどんな野菜が欲しいの?何を作って欲しい?」とリクエストを聞いてくるんだとか。そして決まってシェフは、その土壌に最適な野菜を育てて下さいとお願いするそうです。

観光客が少なくなるローシーズンは、Pilgrimmeの大半のお客はローカルに入れ変わります。自分達が育てた野菜が、シェフのマジックによってどんな変化を遂げるのか、そんな期待と誇りを持って皆食事を楽しむのではないでしょうか。シェフの掲げる地消地産は、温かさと微笑ましさに包まれたローカルコミュニティーとの絆の深さあってのものなのです。

彼らの農場まで出向く時のドライブも、シェフにとって貴重な時間。運転しながらの束の間の静かな時間と、その先で手にとったフレッシュな野菜を見た瞬間に料理のインスピレーションが湧くそうです。

1で変わるメニューもあれば、1回きりで終わってしまうものもある。「全ては自然の成り行きで進んでいるんだよ」と、柔らかく語るシェフの生き方そのものが、料理に投影されている気がします。

レストランがお休みになる12月半ば~3月は、好きな読書やハイキングを楽しんだり、新しいレストランを試しに行ったり、時々友人の厨房に助っ人で入ることもあるそう。そんな行事をこなしているうちに春がやって来て、Pilgrimmeのキッチンがまた賑やかになります。

Pilgrimmeもそんな彼の日々に沿ってゆっくりと変わります。長い計画は1年先までが精一杯だから、とりあえず来年の夏にはパティオで楽しめるランチサービスをスタートする為にちょっと改築したい。余裕があれば、コースメニューの他にシェアプレート(大皿メニュー)やフィンガーフードを加えてみるのも楽しいかも。と、今の形に留まらず、彼自身の旅の途上で自由な構想と「成り行き」で変化していく様がとてもピュアでしなやかで新鮮に映ります。

因みに、レストランPilgrimmeのスペルはデンマーク語。英語スペルは「Pilgrim」で遠い長旅をして聖地に向かう巡礼者を意味しますが、シェフの過ごしたデンマークのNOMAでの時間は彼自身がPilgrimmeでした。

遠く離れた場所を好み、旅を経てしか辿り着けない山小屋のテーブルに座った時、シェフの次なるジャーニーへと招待されて行く唯一無二の存在のPilgrimmeはガリアノ島の青い森の中にひっそりと佇み、旅人を温かく迎えてくれます。

Photo by: YUSHiiN

[IN ENGLISH]

Pilgrimme is closed from mid-December to March.  During this time, McCleerly enjoys going on hikes and catches up with his reading.  It’s also a time he gets to recharge but it sounds like he sometimes doesn’t get too far from the kitchen.  He has been known to help at his friend’s restaurants in the city and enjoy a meal or two at any new establishments.  Once it starts to warm up for Spring, McCleerly is back at his kitchen.

A typical day at Pilgrimme begins at 8am with a freshly brewed coffee. It ends well into the night after all the patrons and staff leave.  He may find himself away from the restaurant on his days off but it is usually filled with errands to help with food preparation like picking up ingredients from the local farmers and foraging the forest grounds.  

The dedicated farmers appreciate the busy chef and often drop off their yield as a loving gesture of support.  The Island’s gardeners also find their way to drop off their unique harvest to the chef; a true symbol of sharing rooted in Galiano.  McCleerly remarked that figuring out how to use all the abundance is a dilemma that he is always happy to have.  When the farmers asked what kind of crops he would like to see grown for the coming season, his supportive response was always “Whatever works best with your soil”.  I felt a deep respect and an awareness of each other’s importance between the smiling chef and the loyal farmers of Galiano Island.  The farm-to-table concept of Pilgrimme is deeply linked to the tight-knit support and love in the island community.  

I was told that local residents often fill the cabin during the shoulder season when there are fewer tourists.  I was in awe that the island community shows its support this way too.  I imagined how it would feel like as a resident dining at Pilgrimme.  I could only appreciate that their hearts must fill with pride when they are nourished by their harvest, their Galiano.  It must feel gratifying and encouraging especially because it is made by McCleerly who is equally passionate about Galiano as they are.  

McCleerly explained how he often finds inspiration when he visits the farmers.  The drive, the farm smell and the fresh produce in hand all help him discover what to create for the spread at Pilgrimme.  His menu is an organic concept.  There may be menu items that change weekly, and some may only be offered at one sitting.  This nonrestrictive approach to creating the dishes work in harmony with the Island and McCleerly’s vision.  After spending some time with him, I could see that the process of making his dishes was an embodiment of how McCleerly viewed life as well.  He focuses on the present moment and tries not to think too far ahead.  Small changes happen as they happen.  He ponders about a new lunch service on the patio next summer.  Ideas of adding share-plates or finger foods run through his imagination.  Rather than forcing a course of action, McCleerly cherishes the process of change when it feels ready to do so.  He treasures the journey thoroughly and deliciously.  

The namesake of his restaurant came full circle to me.  Pilgrimme is the Danish equivalent of pilgrim, paying homage to his time at NOMA in Copenhagen.  I encourage you to find your way to the blue forest of Galiano Island.  On your journey, smell the salt in the air and feel the waves underneath you.  On your walk, breath the forest heavens and listen to the twigs and leaves on each step.  When you see the glow, anticipate the warmth and make your way closer.  When you hold the door open, prepare your five senses.  I assure you, this is a Pilgrimme worth making.
English Translation by Anna Sano

 

A Journey of Pilgrimme – part 1

都市の中心からずっと遠く離れた場所。旅をしないと辿り着かないような人里離れた場所にレストランを作りたい。そんな想いで、ガリアノ島にあるFarm-to-Tableレストラン、Pilgrimme(ピルグリム)は誕生しました。2015年にオープンすると瞬く間に同年のカナダの新しいレストランTOP3に輝き、それ以降もベストレストラン100選の常連を貫いています。

ガリアノ島の旅行を決めたのも、Pilgrimmeを訪れてみたかったから。レストランで旅先を決めるなんて今までにない経験です。こんな小さな島でピークシーズンには予約は1ヶ月前に埋まり、カナダ全土から、世界各地から、人々が食べにやって来ます。1年の内オープンするのは約9ヶ月、週4日、毎晩25名限定に振舞われる料理とはどんなものだろうと、ずっと気になって仕方ありませんでした。

Pilgrimmeで食事をして貰うことはガリアノ島を体験して貰うこと」と、語るシェフのJesse McCleerly(ジェス・マックリーリー)は、「スターシェフ」と言う肩書きとは裏腹にゆるやかな川の流れのような佇まい。伝説のレストランNOMAでの見習を経て、カナダで自分のレストランを開く場所を探していた最中に、偶然ガリアノ島と巡り会ったそうです。半年以上置き去りになっていた元フレンチレストランを改装して、森の中にポツンと暖かい灯がともる居場所を作ったのです。

実際、Pilgrimmeの敷地に入ると何だか実家に帰って来たような、心がストンと落ち着く空気が漂っています。長い旅路の先にたどり着く山小屋の中は、モダンでいてどこかノスタルジック。「ただいま~。今日のご飯なに?」なんて会話があっても不思議でない居心地の良さがあります。

徹底的な地産地消のこだわり、環境へのインパクトも配慮しつつ、シェフ自ら海や森に繰り出して、その土地のその時の恵みを採取します。

カヤックを漕いで取った昆布、ビーチに生えている海草、森に生息するキノコや葉や枝も料理に加わり、それでもどうしても島で手に入らない野菜やお酒類を、フェリーに乗って近郊のビクトリアやバンクーバーから仕入れて来るそうです。

Tasting Menuと呼ばれる8コースディナーの品書は、使われた食材がごくシンプルに綴られているだけですが、実際に見て食すと、とっても複雑な素材のコンビネーションプレーに驚くばかり!

特に可愛らしい日替わりのSnacks(スターター)。ローストされたかぼちゃに発酵したローズの花びらとカリカリに焼いたワイルドライスが添えられていて、香り・食感・味ともに絶妙なコンビネーションで最初からノックアウト!スタッフも「まだ新しいメニューで私も食べたことないのよ」と羨ましそうに語ってくれました。

5感で楽しませてくれるメニューは島の風土と季節をテーブルに運んで来てくれます。

料理を引き立てるつけ添えのオイル、発酵も、麹も、全て自家製。焼き上げられた熱々のポテトと古代米のサワードウブレッドのお供はお手製の焦がしタマネギのバター。ホイップクリームのようにふわっふわっで、これだけでお酒が進んでしまう程でした!

一つ一つの調味料や脇役の全てがガリアノ島の「今日」の味を表現しています。

日が経っても、レストランで体感した味を一品ずつ覚えているとはなんて素敵なことでしょう。旅のアルバムの様に、一度食べたら忘れないスペシャルな思い出を作ってくれる、そんな場所です。

(後編へ続く)Photo by YUSHiiN

[IN ENGLISH]

Pilgrimme – A farm-to-table restaurant quietly found its place on Galiano Island in 2015.  A place where their patrons travel far from the city to experience all of what Galiano has to offer from its land and surrounding waters.  It became one of Canada’s top 3 restaurants in its opening year and has continued to rank highly as one of the best restaurants to dine in Canada.

I wanted to make my way to Pilgrimme so I carefully planned my travel to Galiano Island with the secluded destination in sight.  It was genuinely a unique experience to have this restaurant as the reason for my travel.  The restaurant operates 9 months out of the year.  Reservations have to be made at least a month in advance during the peak season as people from all over Canada and around the world come to taste the culinary magic.  Only 25 lucky patrons get to dine on each of the 4 nights per week during the open months.

I had the pleasure to meet the owner and chef.  “To eat at Pilgrimme is to experience what Galiano Island is,” says chef Jesse McCleerly, whose presence is like a gentle flowing river.  His demeanor was a beautiful contrast to what I would have expected from his title of Canada’s “star chef”.  After an apprenticeship at the legendary NOMA restaurant in Denmark, McCleerly jumped on the chance of a vacant property on Galiano Island.  He transformed the former French restaurant into a warm and inviting place where people can come to be nourished by the surrounding landscape.  Pilgrimme stood softly lit in the evening forest; the glow from the restaurant enticed the way for its visitors.

When I arrived at Pilgrimme, there was a feeling of calm in the air as if I had come back home after a little journey. I basked in a nostalgic feeling when I stepped foot in the forest cabin. The place was so inviting that I found myself wanting to say “I am home!  What’s for dinner tonight?”

McCleerly’s thoughtful menu paid close attention to local ingredients with dedication to sustainable environmental practices.  Menu items were dotted with blessings of the season’s abundance, including items that were foraged by McCleerly, himself: seaweed collected from the island’s beaches, kelp picked while on a kayak out in the ocean, mushrooms, leaves and branches harvested from the old growth forest.  Other ingredients and alcohol that aren’t available on the island are purchased during his weekly ferry outings to nearby Victoria and Vancouver.

I enjoyed the eight course tasting menu.  Each course had a simple list of ingredients with a short description.  I was surprised and amazed by the combination of complex flavours and textures offered by each dish.  The winter squash with fermented rose petals and roasted wild rice puffs was particularly amusing as a starter.  I can still remember the exquisite aroma and texture that set up the beginning of my dining experience.  Menu items listed with deceptively “simple” ingredients like the potato and heritage grain sourdough with fresh butter and burnt onion were full of flavour and heartiness.  This particular dish, with a white wine pairing, left a lasting smile of tranquility for the rest of the evening.  The tasting menu entertained all my five senses, or shall I say, the Island did.  All of what the season had to offer from the island was on the table in front of me.  McCleerly’s time consuming work of making infused oils, fermenting ingredients and crafting koji created the depth and complexity in all of the offerings.  Every single detail expressed the taste of what was Galliano’s “today”.

I look back to this experience at Pilgrimme with fondness.  Every dish encapsulated Galliano Island in the form of an edible curiosity.  In many ways it was an unrepeatable experience.  All the moving parts came together and culminated on to my table that one evening: the island, the ingredients, the chef, the farmers, the staff and the slice of time.  I will never forget how utterly fortunate I was to experience Pilgrimme. (Continued in part 2)

English Translation by Anna Sano

Island Way of Life

1年に1島、島を巡る。そんな目標が出来たのは、ブリティッシュコロンビア州だけでガルフ諸島と呼ばれる島々が実に200以上もあるからです。バンクーバーから比較的アクセスしやすいサザンガルフ諸島だけでも7島あり、それぞれ独特の島文化が根付いています。

島に生きるとは?最近訪れたガリアノ島に魅了され、よくそんな事を考えます。ガリアノ島はサザンガルフ諸島の1つで、全長27.5km、幅は一番広い場所で6kmと細く長い形をした島。人口1,000人程が暮らしています。

この島には私達が日常的に目にするコマーシャルなモノは一切存在しません。ガソリンスタンド1件、グロッサリーストア3件、ATM3件、カフェもレストランも全ての商業施設は個人経営。もちろんスタバもマクドナルドもありません。病院もなく、ヘルスケアセンターと言われる簡易的なものがあるだけ。医者にかかる事になったら近くのバンクーバー島までエアバスで搬送されるそうです。

夏の観光シーズンの賑わいも消え、秋は静かに冬に向けての準備期間。お店も冬季閉店する場所もあります。

ランチタイムの11:30-2:00しかオープンしない(しかも週4日、たまに急用で休業)ローカルに大人気のFlying Black Dog。外に可愛いイートインスペースが設置してあり、こちらのバイソンバーガーは絶品!なのですが、こちらもそろそろシーズンクローズです。

最近の旅のテーマは「何もしない」こと。ガリアノ島は自然以外本当に何もないので、強制的にゆっくりさせられます。メインロードは縦に1本、信号のない道が走っているだけ。日中でも対向車に出会すことは滅多にありません。出会うのは鹿くらいで、地図がなくても大抵の場所に辿り着けます。

商業的な要素はゼロですが、ガリアノ島は美しく魅力溢れた海に囲まれています。

小さいにも関わらず島全体で73箇所もの公共ビーチアクセスがあり、この数は他のサザンガルフ諸島の島々に比べると驚異的な数!

その理由はガリアノ島の自然は皆で共有するものとして島全体で守っているからだそうです。

特にガリアノ島が面している海は、クジラやシャチが頻繁に行き交うActive Pass(アクティブパス)と言う貴重な海峡があることでも有名です。

私もハイキングで登ったMt. Galiano(マウントガリアノ)の頂上から広大なブルーの海原を悠々と泳ぐクジラの姿をキャッチしました。そんな光景が当たり前のように飛び込んでくる島の世界観が余りにファンタジーで、しばらく興奮が冷めませんでした!

美しい自然は個人レベルでもシェアします。近隣の人達に楽しんでもらえるよう開放している個人所有地もあります。「Talking Trees」と名付けられたトレイルは、80歳になるお婆さんが所有する壮大な土地の中にあってローカルは誰でも自由に歩けます。10分ほど行くと美しい眺めの海岸に出てとても気持ち良い場所です。

週末に開かれる可愛らしいサタデーマーケットは10店ほどのお店が集まり、それぞれの物語が詰まった商品が沢山並んでいました。人気が集中している老夫婦が作るベーカリーは朝イチに並ばないと直ぐに売切れてしまいます。

丹精込めて収穫されたオーガニック野菜や、環境と体に優しいソイキャンドル等、みんなゆっくり会話を楽しみながら作業するのでお店ごとに話し込んでいると結構な時間が経ってしまいます。

島人はほとんどの人が知り合いで、名前を言うと「ハイハイ!〇〇さんね!」と分かってしまう程。

滞在先のキャビンは、更に人里離れたノイズレスな環境へ。

ゲートを越えて一山登ったその先は、オーナーのメインハウスとキャビン以外文明の気配は消え、羊と朝食の卵を産んでくれる鶏のみ!去年の冬は大雪で山から降りれず4週間も自宅から出られなかったそうです。

キャビンから続く幾つものトレイルを気の向くままに散策したり、

夕日を眺めながら大好きなワインを楽しんだり、

夜は風の奏でる音に耳をすまし、暖かく燃えるシダーウッドの香りに癒されたり。人工的な音を遮断して流れ行く時間はとてもシンプルで最高の贅沢に感じます。

島の生活は不便であり、想像以上の困難も沢山あるはず。でもそこにはお金やモノでは代え難い、自分らしい幸せがあるのではないでしょうか。

島と言う限られたスペースと資源の中だからこそ、人はよりクリエイティブに、そして助け合いと分かち合い豊かな精神を持って生きられるのかもしれません。そんな精神がこの地球に住む11人が育めたら何て素敵だろう。

眺めの良い丘で大型フェリーが行き交うのを見て、ガリアノ島の人達は便利さを恋しく、都会を恋しく想うだろうか?答えはきっと決まっているでしょう。

My hidden gems

人に教えたくない秘密の場所があるとしたら、それは間違いなくSunshine Coast(サンシャインコースト)でしょう。

夏の終わりに都市から遠く離れた静かな場所に行きたくなって、サンシャインコーストへキャンプに行って来ました。サンシャインコーストは半島ですが大陸と通じている道路がなく、交通手段はフェリーか飛行機のみ。半島の南部と北部さえも海で隔てられ、こちらもフェリーで移動します。

バンクーバーからまずフェリーでサンシャインコースト南部にあるLangdale(ラングデール)と言う港に行き、そこから車で北上すること1時間20分。更に別のフェリーに乗り継ぎ、サンシャインコースト北部のSaltery Bay(ソルタリーベイ)が今回の目的地。同じBC州内ですが、バンクーバーから実に4時間も掛かります。

そんな不便で陸の孤島のサンシャインコーストの魅力は北部から始まると言って良いほど、想像以上のパラダイスが待っていました。

キャンプ地はもちろん圏外。何か特別な観光ものがある訳ではないけれど、ため息が出るほどの美しい海とビーチ、そして陸には山々に包囲された無数の湖が点在していて、壮大な自然のアドベンチャーランドです。

今回のテーマは「何も計画しないこと」。気の向くままにドライブして、目の前に飛び込んでくる景色を楽しみ、偶然見つけたビーチを散歩したり、キャンプ場の海辺でゆっくりピクニックを楽しんだり。

私はサンシャインコーストを「北のハワイ」と勝手に呼んでいますが、この地域の海は透明度抜群で、海水もぬるめ。鮮やかなエメラルグリーンやトルコブルーに輝く海に飛び込まずにはいられません。

海辺には、何十回も繰り返し素潜りの練習をしている頬笑ましい親子がいたり、読書をしている人や、近隣からカヤックでやって来てお昼寝してたり、それぞれが思い思いに夏の1日を過ごしています。

サルタリーベイから車で34km程北上すると、Powell River(パウエルリバー)と呼ばれる古き良き可愛らしい田舎町があります。田舎町と言っても19世紀には豊かな森林源を生かしたパルプ産業が栄え、世界的に紙の生産を支える産業都市として成長を遂げていた時代も。豊かな海洋生物が生息する海では時折イルカやクジラが目撃されるそう。

ローカルに勧められたPowell Lake(パウエルレーク)の湖畔に小さなビーチがあり、周りの針葉樹がそのまま溶け込んだようなモスグリーンの湖水の中でのんびりと泳いで、本当に気持ち良い場所でした。

ひと泳ぎしたら半島北部の最終地点、Lund(ランド)へ。ここはサンシャインコーストを一線で繋ぐ約156kmのハイウェイ101が終わる所です。ランドから内陸に10分ドライブするとOkeover Arm Provinciual Park(オケオーバー・アーム州立公園)があります。

長い入り江に面したこの州立公園は、カヤックやヨットマンにとって憧れの場所、「この世の天国」とも呼ばれる壮大なフィヨルド地帯に広がるBC州最大の州立マリンパーク、Desolation Sound Marine Provincial Park(ディソレーション・サウンド・マリーン州立公園)の入り口でもあります。

引潮の浜辺で、ローカルのグループがしゃがみこんで一生懸命に砂を掘っているので尋ねてみると、なんとオイスターとアサリが獲れると!バケツ一杯に入った大量の貝を誇らしげに見せてくれました。

試しに手でちょっと掘ってみると、XLサイズのアサリがゴロゴロ出てくる、出てくる!!何十年ぶりの潮干狩りを思いもよらず一緒に楽しませてもらいました。(注:海や川で海産物を獲るにはBC州のフィッシングライセンスが必要です。)

この日の夜の食卓に並んだのは、もちろん、掘ったアサリのビール蒸しと帰り道に地元の漁師ファミリーから購入した見事なハリバット(大鮃)のステーキ!!その日の恵みをその日に頂く贅沢なご馳走に大満足。

豪華ディナーの後は、お決まりマジックアワーの時間帯。まだ日も長く午後8時半過ぎが日没です。自然が染め上げる空のファンタジーは飽きる事がありません。

そして、この日は丁度満月の前夜。薄暗くなって来た夜空に浮かび上がる山のシルエットから太陽のように輝きながら、神々しく昇って来る月を見た瞬間、何事かとびっくりしてしまいました。鏡の如く静止した海面にムーンロードが照らされ、その光景があまりにも幻想的で平和で、違う時空に迷い込んだかのような、心から感動した夜でした。

食べて、泳いで、寝て、歩いて。。。何も特別なことをしないシンプルな時間こそが最高に贅沢な時間なのだと、サンシャインコーストは教えてくれます。いつもここに来ると魔法のような美しい世界が待っています。

それは、道に迷って偶然たどり着いた景色が一番のお気に入りとなるような、そんなささやかなプレゼントを与えてくれる秘密の楽園なのです。

Summer Abundance

生命の豊かさを感じる季節。それがバンクーバーの夏です。

7月中旬から8月初めまで本格的な夏を迎えたバンクーバーでは、花々が咲き乱れ、様々な種類のフルーツや野菜が収穫され、彩り濃くキラキラ輝く時期です。職業柄、カラフルな色彩に心惹かれるので、特に夏に咲く花の種類と鮮やかさには驚きます。初めて出会う花も多く、花の名前が写真で分かる携帯アプリを入れた程でした。

農作物も一気に賑やかになります。夏の間は出来るだけファーマーズマーケットで新鮮でお手頃な野菜を調達する様にしています。毎週土曜日にアボッツフォードからやって来る家族経営の小さなオーガニックファーム, Close to Home Organics がお気に入り。マーケットが始まる10時前に毎度長蛇の列になる人気店で、朝一で買い出しに行きます。

ちょっと変わったお野菜も並び、詳しく調理法も教えてくれるオーナーの丁寧な人柄がとても素敵。顔馴染みの常連さんには「See you next week!」と挨拶を交わし、そんなコミュニケーションが取れるファーマーズマーケットが大好きです。

マーケットだけでなく、自分の手で夏の恵みを得ることも出来ます。夏はベーリーシーズン。ストロベリーに始まり、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーとどんどんピークを迎えます。

今年初めて行ったブルーベリーピッキングは、自分が獲った分だけのブルーベリーの量り売りをしてくれます!カゴ一杯に摘んだ3ポンド程(約1.4kg)のブルーベリーが何と7ドル程!青空の下、広大なブルーベリーファームでのピッキングは何ともメディテーションに近い心地よさを体験させてくれました。

大量に持ち帰ったブルーベリーはやはりフレッシュで頂くのが最高ですが、残りはタルトにしたりマフィンにしたり。手積みした可愛らしいブルーベリーだけに、どう美味しく頂こうかと料理の時間も一層楽しくなります。

家のバルコニーで細々とやっている家庭菜園では、今年はきゅうりとミニトマト、レッドチリペッパーの収穫に成功しました。

特に真っ先に実った野菜を1粒手にする時の達成感と、「大きくなってくれてありがとう~~♡」と思わず口にしてしまう愛おしさはたまりません。不揃いなれどそれも個性と、愛着が湧きます。

ご近所さんから頂いた豊作のお裾分けも食卓を賑やかにしてくれます。

街の歩道には通行人が誰でも自由につまみ食い出来るベジタブルガーデンが設置され、ガーデニングを誰でも気軽に楽しんで貰おうと粋な試みも。If you are hungry, take a bite!」(お腹減ってたら、一口どうぞ!)と言うメッセージが微笑ましい。

レストランやカフェでも自家菜園で採れた野菜を提供するお店も多く、とにかく生命感に溢れる夏のバンクーバー。

真夏の太陽と共にやって来る沢山のカラフルな命は、一瞬で過ぎ去る短い夏だからこそ、より鮮やかにエネルギッシュに見えるのかもしれません。

来年の夏は、人にお裾分けできるくらい収穫出来る腕前になりたい、と夢膨らませています。

 

Powwow at Capilano Reserve

カナダの歴史は先住民なしには語れません。開拓時代からずっと社会的、経済的問題を背負う事になってしまった彼らは1万年も前からこの土地で独特の文化を育んでいました。2016年の統計によるとカナダの先住民は人口の約4.9%(1,673,780人)を占め、BC州だけでも約20万人が暮らし、198の違う部族、30の違う言語が存在します。

先住民という言葉は、最初は「Native Indian」(ネイティブ インディアン) から始まり、「First Nations」(ファーストネーションズ)と言う名称に変わりますが、Metis(メティス)と呼ばれる先住民とヨーロッパ移民の両方を祖先に持つ人々と、Inuit(イヌイット)と呼ばれる北極地方の人々はこれに含まれません。この3部族をまとめた「Aboriginal Peoples」(アボリジナル ピープルズ)という名称がより正しくなったかと思うと、その呼び方は嫌だ!という一部の部族に配慮して、現在正式には「Indigeneous People of Canada」(インディジナス ピープル オブ カナダ)という呼び方が主流です。彼らを表現する言葉一つをとっても、先住民とカナダの歴史はかなり複雑なのです。

影なる歴史はありますが、彼らの独特の文化と伝統はとても魅力的で興味深いです。

ノースバンクーバーにある先住民居住地区で毎年恒例の「Squamish Nation Youth Powwow」(スコーミッシュ ネーション ユース パウワウ)と言うお祭りがあり、今年で32回目になるイベントに行って来ました。Powwowとは踊りの祭り・集会を意味します。会場で踊り、歌い、語り合い、伝統食や工芸品が並び、とても賑やかなイベントです。場所によっては数時間で終わるものもあれば何日間も続くものもあるそうで、スコーミッシュ ネーションのPowwow3日間と比較的大きなお祭り。

日本の盆踊り感覚と言ったら語弊があるかもしれませんが、炎天下の中、みんな色とりどりの衣装を纏い踊り続け、今年のダンスチャンピョンを選びます。頭に狼を被ったり、三つ編みからイタチがぶら下がっていたり、大きな羽根や賑やかに鳴り響く鈴を全身に纏い、まるで美しいファッションショーの中にいる様でした。特に、後ろ姿が勇ましく美しい!

工芸品のショップが立ち並び、お祭りの目玉の伝統サーモンステーキが振る舞われます。

詳しいルールはわかりませんが、大きな広場に円形になってダンススーペースがあり、基本MCが仕切っているけど自分の好きな歌になったら中央に出て来て好きに踊る、みたいな自由さが新鮮。中には神聖な歌や踊りもあり、その最中は写真・動画撮影は硬く禁じられます。彼らの守るべきもの、継承すべきものは余りにも大きく、儚く、そんな一面を垣間見た感じがします。

Powwowは部族の若い世代の為の文化交流の場としても大切な役割を担っているそう。

華やかな衣装と踊りに見入っているといつもとは違う世界にタイムスリップした感覚になります。ふと長老が「ホットドッグとアイスティー買って来て~!」と家族に叫んでいる声で、現代社会に引き戻され、彼らも皆同じ時代を生きているのだと気づかされます。

ちなみに、Squamish Nation1人、Joe  Capilano(1895-1910)は先住民の権利と伝統を守るために戦った先代リーダーで、この様な集いの場でよく語られる名前です。気がつけば、Capilano River, Capilano Road, Capilano Mountain, Capilano Lake…とバンクーバー市民が普段から親しみある地名、憩いの場所はスコーミッシュ ネーション の偉大なリーダーの名が由来だと、一体どれほどの人が知っているでしょう?

彼のまたの名はJoe Mathias。今回のPowwowの会場となったのも100 Mathias Roadでした。

当たり前の様に付いている街の名称を辿っていくと歴史的背景が見えてくる。そんな小さな知識を得るだけで、この土地で生活を共にする先住民との小さな架け橋になるのではないでしょうか。

O Canada!

71日はカナダの152周年建国記念日でした。2679歳の日本に比べると産まれたての赤ん坊の様な国ですが、愛国心は熱い熱い。この日は大勢の国民がカナダカラーの赤と白を纏い、至る所でパレードやお祝い行事が繰り広げられます。

地元新聞紙もCanada Dayに因んで、カナダトレビアクイズの特別ページを用意したり。カナダは10の州(Province)3の領土(Territory)から成り、国内では3つの時差が存在します。「O Canada」は正式には1980年に国歌となり、カナダを象徴する動物はビーバー!(クマではない!)などなど、面白いトレビアでカナダの知識を深めてくれます。

カナダ⇄日本のデュアルライフを始めてようやく2年目になろうとしていますが、今回初めて現地で過ごすCanada Day。この記念すべき日に、友人が指揮するローカルバンドの演奏を聴きに、Sunshine Coast にて過ごしてきました。Sunshine Coastは実は島ではなく半島です。切り立った険しい山々の先にある為、交通手段がフェリーか飛行機でしかなく、のどかな美しい自然が残っている私にとって特別で大好きな場所の1つです。

前夜にフェリーに乗り込み、わずか40分で到着してしまうSunshine Coastですが、バンクーバー本土とは全く別の世界に誘われる、そんな景色が待っています。

Canada Day当日は、Sunshine Coastの一番大きな街、Sechelt(シーシェルト)で盛大なパレードが行われます。大きいといっても人口1万人強のとても可愛らしいコミュニティーです。先住民の言葉で「2つの海に囲まれた場所」と言う名の如く、シーシェルトのダウンタウン?エリアは両端をジョージア海峡とシーシェルト海峡に囲まれていて、端から端まで徒歩でも行けるほど。

カナダ人の朝は早い!9:30amから友人率いるバンド演奏が始まり、街の人達と一緒に一気にお祭りムードに!道沿いには街中、と言うか半島中の人が集まったんじゃないかと思う程大賑わい。特に「O Canada」の演奏では、座っている観客も立ち歌い始めたのが印象的でした。

そしてバンド演奏後は、何か合図がある訳でもなく突然パレードがスタートします。笑

クラシックカーの大名行列は、毎年恒例のお決まりらしい。

その他にもSunshine Coastで活動している沢山のコミュニティーグループが2時間ほど掛けて、思い思いにパレードしていき、通りすがる度に沿道の子供達にお菓子やらグッズを配りまくります。

子供達にとっては誕生日とハローウィーンが一気に来た感じ。カナダは子供と老人を大事にするのはもちろん、社会的弱者や動物にとても思いやり深い支援と愛を注ぎます。何だかこのパレードでは、ほのぼのとその心温かい精神が垣間見れた気がしました。

パレードがまた何気な~く終わると(最終グループは地元の消防隊でした)、午後はゆっくりとSunshine Coastの美しい自然を満喫。

Sargeant Bay Provincial Parkでのビーチタイムでは、カナダで初の海水浴にチャレンジ!北緯が高いだけに夏でも忍耐がいる冷たい海水ですが、この日は炎天下だったこともあり(数分)楽しむことが出来ました。

お次は、大好きな針葉樹が香るトレイルへ。

Soames Hill Parkは、片道30分程でサンシャインコーストとお隣のBowen Island(ボーエン島)と遥か地平線上にはバンクーバー島まで眺められる絶景ポイントがあります。

運動した後は喉ごしらえ!と言うことで、道の途中で偶然見つけたクラフトブリューワリーにお邪魔して、 Canada Dayに乾杯~~!

最近のカナダ西海岸はクラフトビール大ブームが起きていて、地域ごとにお洒落なブリューワリーを発見するのも旅の楽しみのひとつ。ここ、Persephone Brewing Companyは、ビールの他にファームもやってたりホップまで育てちゃっている素敵なブリューワリー。

1日の最後はSunshine Coastで開発が急速に進んでいる街、Gibsons(ギブソンズ)へ。ここもまた可愛らしい港町で、カナダのTVドラマ「The Beachcombers」(ビーチコーマーズ)のロケ地になった地元ではちょっと有名な場所です。

港には無数のヨットと個性豊かなボートハウスがぎっしりと並んでいます。

海に浮かぶヨットはなんともロマンを誘いますね。いつかこんなヨットでアイランドホッピングしてみたいなぁ~、と夢見ているとピンク色に染待っていく空にあっという間に過ぎた楽しい1日の終わりを知らされます。

音楽→人→海→山→ビール→空、と大好きなカナダのエッセンスの全てがぎゅっと詰まったCanada Day。カナダは移民の国だからこそ、多種多様な背景を持つ11人がみんなで良い国にして行こうと、そんな明るい志を持って生活している気がします。

また新しい1年、カナダという国をもっと知りたくなるそんな1日でした。

Beach Camping

夏至も過ぎてバンクーバーにも本格的なサマータイムがやって来ました。そして、待望のキャンプシーズン到来!

今年の初キャンプは自宅から車で40分程のPorteau Cove Provincial Parkへ。ここはHowe Sound(ハウサウンド)と言う海峡に面した絶景のビーチキャンプが楽しめて絶大な人気があるキャンプ場です。予約が取れたら超ラッキー!予約受付開始の4ヶ月前に問い合せても、既に埋まっているほどの激戦地なのです。

都市のすぐ背後に素晴らしい大自然が鎮座していて、海も山も楽しめる。この都市と自然の距離感がバンクーバーの最大の魅力です。

大自然の中でのキャンプは、気づけば私の中で最高に贅沢なホビーになっています。一箇所にとどまり、ただ刻々と流れゆくものを眺める時間ほど特別な過ごし方はありません。同じ場所でも朝・昼・晩と全く違った表情を魅せてくれる自然のシアターを見ている時間がとにかく大好きで、ゆっくり読書でもしようと持参した本さえ開くことはまだありません。笑

今回は初のビーチキャンプだったので、その楽しさは更に新鮮でした。目の前の海と空のパノラマパラダイスにかぶりつき放題!なのですから。

朝は静寂な時間。いきものの活動が始まる前の鏡のごとく静かな時間です。そんな何の気配も感じないフレッシュな景色を目撃するのは、ちょっぴり得した気分になります。

昼は眩しく賑やかな時間。風も波もエネルギッシュに動く時です。

テントを張り始めたのは昼の1時過ぎでしたが、暴風と言わんばかりの強い風。作業にどっぷり2時間弱も掛かり、万が一の雨用に持ってきたタープを風よけにしなければテントが吹っ飛ばされる勢いに圧倒!!

夕暮れ時は1番儚く、惚れ惚れする時刻。

私が一番好きな時間帯です。

日中遊んでいた海鳥たちが巣に帰る準備を始め、空のキャンバスでは毎分変わっていく色の芸術がゆっくりと繰り広げられます。気がつけば嘘の様に風が止み、潮も満ち、白い星がうっすらとチラつき始め、キャンプ場の彼方此方でパチパチとキャンプファイヤーの音が。薪の音と炎の灯だけを残して、辺り一面黒のカーテンに包まれ始めると夜になります。

そんな時を繰り返し過ごしていくと自分も自然の日課の一部に溶け込んでいるようで、大きなゆりかごの中のいきものの存在の小ささと尊さを感じます。

キャンプ場に立つテントも人間も本当に小さな小さな点の存在。

都心では気づかない、言葉でも表現しずらいそのスケール感を体感することはとても大事なライフレッスンではないでしょうか。キャンプを通して知るカナダの壮大なビューティー(美)にいつも胸一杯になり、また、この夏はあと何回行けるだろうと数えずにはいられません。

Slow Life is Busy Life

春が来たと思ってあれこれ過ごしているうちに、夏がやって来ました。バンクーバーの夏は最高の季節です。気温は25度前後ですが日差しが強いので、ジリジリと焼けるように結構暑さを感じます。そして、夜は21時過ぎまで明るい空に誘われて、1日を長く思いっきり楽しめる季節です。

我が家のバルコニーでは冬越えしたハーブ達が青々と生き返り、トマト、キュウリ、長ネギなど家庭菜園している野菜も、太陽が強いおかげもあって、1日でぐんぐん成長していきます。その成長を見ているだけで可愛らしいものです。

新鮮なレモンバームとミントを摘んではよくお茶にしています。レモンバームは自律神経や体の不調を整える効果だけでなく、抗酸化作用によるアンチエイジグ効果や冷え性の改善も期待できる万能ハーブ。フレッシュなグリーンイエローの色と香りにもとても癒されます。

日々の「食」は「スローフード」を心掛けているせいか、何もない日は、1日のうち半分以上はキッチンで過ごしているかもしれないと思う程、食いしん坊はやることがいっぱい!

最近、アーモンドミルクをまた作りはじめました。市販のアーモンドミルクはアーモンドよりも他の原料の方が多く、数%しかアーモンドは入っていません。自分で作るアーモンドミルクは100%アーモンドのみ!!

一晩水に浸したローアーモンドの皮を剥き、フードプロセッサーで砕いてから布で絞ると、真っ白なきれいなミルクが獲れます。

保存料はもちろんないので4−5日で消費しますが、グラノラに入れたり、チャイやホットチョコレートに合わせたりと色々と楽しめます。

朝食のグラノラも手作り。以前ソルトスプリング島のAirbBBのオーナーさんから教えてもらった秘伝(?)のグラノラレシピがお気に入り。ひまわりの種、かぼちゃの種、ココナッツチップ、カシューナッツ、オーツ麦、クランベリー、レーズン、ゴマ、ハニー、などを混ぜ合わせてオーブンでこんがり焼くだけ。もちろん、素材は全てオーガニック。種&ナッツ類はロー(生)のものを選びます。

春先には初めてチックピー(ひよこ豆)でお味噌も仕込みました。大豆や麦で作る味噌とは違って、ちょっと甘めでまろやかな白味噌っぽい味になるのでお気に入りです。

市販のチックピー味噌は少々お高く、量も少なめなので自分で作るのが一番!大豆製品に偏りがちな日本食からちょっと一休みしたい時にもオススメです。

水は水道水から直接飲めますが、カルキ抜きのために我が家は竹墨を入れたウォーターディスペンサーを使用しています。(お隣はコンブチャ!)

竹墨は木炭より水の浄化に優れていて、水中の汚れや化学物質を吸収するだけでなく、炭の成分が溶け込みミネラル豊富なバランスよい水を作ってくれます。毎晩新しい水を組み直すひと手間はあれど、この水は毎日の健康的な飲料水、そして料理用水として欠かせません。

スローライフとは、誰もが優雅でゆったりとした時間を想像するかもしれませんが、とんでもな〜い!!スローだからこそ、何気ない小さな手間暇かかることが沢山あって、干したり、耕したり、洗ったり、摘んだりを繰り返しているうちにあっという間に時間が過ぎてしまいます。

スローライフは実はとっても忙しい。でも、手作業から芽生える愛着と、美味しくできてくれてありがとうという喜びが、そのものを特別なものにしてくれます。

都市に住む生活の中で少しでもスローライフをクリエイトしていきたいです。

Sakura blooming city

桜は日本の春の風物詩ですが、実はバンクーバーも「Sakuraシティー」と呼べるほど桜の木が多く存在し、実に40,000本もの桜が毎年華やかに春の訪れを知らせてくれます。

今年は早い場所では3月末から、日本とほぼ同じタイミングで開花!!1つだけ違う点は、バンクーバーは広く、同じ市内でも天候が様々なので、今満開を迎えている桜もあれば、まだ蕾の場所もあります。日本よりもずっと長く桜を楽しめるのが、何ともラッキーです。

公園や植物園はもちろん、ダウンタウンや近所の街路樹の至るところに桜があって、気軽にお花見が出来ます。淡いピンクの花と、カナディアンブルーの空、そして新緑の芝生がマッチした時の光景は、ため息が出るほどに美しいです。長かった雨季の冬がようやく終わり、春風に乗って桜の可憐な香りが漂ってくると、太陽の季節だ〜!と心がワクワク踊り出します。

なぜバンクーバーにはこんなに桜が多いのか?

その始まりは1930年代。日本の神戸市と横浜市が、バンクーバーのThe Park Board(公園管理局)に500本の桜をスタンレーパークにある「第一次世界大戦・日系カナダ人戦没者慰霊碑」に寄贈しました。これをきっかけに、市民の桜に対する愛着が芽生え始めたのです。

当時のバンクーバーの街路樹は、ニレ、カエデ、クリ、と比較的大きな樹木を植えるのが習慣でした。しかし、雨の多いバンクーバーでは木々がグングン急成長してしまい、道路に根っこが張り出したり下水管を壊したりと、トラブルの要因となっていました。そんな事から50年代に入ると、巨大樹木の代わりに、サクラ、ウメ、リンゴのような花咲く、比較的小ぶりの樹木に植え変える動きに変わっていったのです。さらに1958年、日本領事館から300本以上の桜がバンクーバーに再び寄贈されました。そんな歴史を経て、90年代初頭にはバンクーバー市内の89,000本ある街路樹のうち、約36%がサクラやウメの木となるまで増えていったのです。

バンクーバーの桜は、ちょっとだけ大陸的?というか花びらが大きい気がしますが、世界中どこでも春の風物詩は人気者です。こちらは公共の場所での飲酒は禁止されているので、日本の様に桜の下で「花見で一杯!」とはいきませんが、ベンチから眺めたり、木の下で読書したりと、皆それぞれ桜タイムを楽しんでいます。

ただやっぱり、日本人の桜に寄せる想いはまた特別な感じがします。

桜は日本人にとって、沢山の歌にも歌われるほど、人生の数々のエピソードと重ね合わさる、そんなスペシャルな存在と思うのです。入学式や入社式、結婚式の様な人生の大きな節目だったり、家族や友人たちと過ごした大切な思い出だったり。桜の花を眺めていると、ふと自分のアルバムを呼び起こしてくれるような、ちょっぴりノスタルジックな気持ちにもなります。

この季節、カナダでより日本を近く感じられる、そんな時間です。

Walk, Play, and Smile

1日1万歩は健康の秘訣とも言われますが、私はもともとウォーキング好き。トレイルに行かなくても、家の周りには毎日歩いても飽きない美しい遊歩道が沢山あります。

バンクーバーには Green Pathway(グリーンパスウェイ)Green Necklace(グリーンネックレス)と呼ばれるサイクリストと歩行者専用の遊歩道があり、みんな散歩やジョギングをしながらすれ違う人と笑顔の挨拶を交わしたり、話し込んだりと、ちょっと社交的な場にもなっています。

私にとって日々のウォーキングはエクササイズであり、リフレッシュであり、そしてエンターテイメント!

エンターテイメント?と思うかもですが、このグリーンネックレスのあちらこちらに可愛らしいパブリックアートが描かれているのです。アーティストを公募し、歩道にメッセージ性のあるアートを施すことによって歩行者の関心を高め、すれ違う人々の会話のきっかけになればと市が企画しているものです。自分の足元で繰り広げられる小さなアートを見つけながら歩き進めると、雨の日でも晴れの日でも何だか楽しい気分になれます。

中には日本の4コマ漫画のようなノリで描かれていて、これがまた面白い。

車椅子の人がいると思ったら、ローラースケートをしている女の子登場、、、

その後に自転車に乗った小さな子供が列に加わり、、、最後は杖をついたおじいちゃん合流!

この道は色々な人が共有していますよ、と誰にでも分かりやすい形で語られていて何ともカナディアンらしい優しいメッセージ。

次は、いかにもバンクーバーらしい!

歩いていたら、、、きゃー、雨が降って来た!傘をさしましょう。

歩けど歩けど、雨は激しくなる一方。

外出すると必ず雨に振られる冬の天気を連想させて、自然とうなずいてしまいます。

お次は、勝手に題して「ある女の子の1日」。

女の子がてくてくとバギーを引いた親子の前を歩いていました、、、

前方に犬の散歩をしている人を発見、、、

途中でみんなご対面、、、そして、お友達になって仲良く遊んだのでした!

中には、意外性あるコミカルなものも。

一生懸命に走っている1人が、、、2人になり、、、。

3人になり、と思ったら、、、なぜかみんな怪獣から追われている模様(笑)。

そして、私のお気に入りのストーリーはこちら!

左から女性のハイカーがやって来て、、、右からは男性のハイカーがやって来る。

2人は出会い恋に落ち、、、一緒に旅を続けます。

そして、赤ちゃんが生まれた!なんと、、、2人目も生まれた!!

大きくなった子供たちはお婆ちゃんと一緒に仲良く散歩するのでした!

と、思わず微笑んでしまう人生の一コマ。

この道で繰り広げられている日常の景色。ちょっとファンタジックな出来事。自分の想像を膨らませながら、アートを追っていきます。

歩く人を楽しませるユーモアがある道は素晴らしい。慌ただしく歩む日々だからこそ、遊び心を持つゆとりと笑顔を忘れずにいきたいです。

The Making of Wild Hill

ソトコト」4月号にて、バンクーバー島にあるオーガニック・スキンケアブランド、「Wild Hill Botanicals」を紹介しています。ローカルコミュニティーとサスティナビリティを高く意識しながら、自分たちの住む土地と向き合い、その恵みを丁寧に詰め込んだとても愛らしいブランドです。

沢山のオーガニックと名乗るブランドが出回る今、その土地でしか出来ないモノつくりと時間をかける手作業の大切さをしっかりと打ち出した、希少なローカルブランドです。

『「Wild Hill Botanicals(ワイルド・ヒル・ボタニカルズ)は、カナダのバンクーバー島南西部にある海辺のリゾートタウン、スークの更に奥地の森の中に、ひっそり佇むオーガニック・スキンケアブランド。営むのは、長年アメリカに住んでいたカップルだが、夫がサーフィン好きという理由でここを移住先に選んだそう。

スークは海と山の豊かな自然に恵まれ、フードカルチャーも盛ん。世界的にも有名なホテル「Sooke Harbour House」のレストランを目指して、食事だけのために訪れる人も多いという。近年では、「Wild Mountain」というスローフード&地消地産をコンセプトにしたローカルレストランも密かに話題を呼んでいる。

「Wild Hill Botanicals」の原点も、池や畑がある広大な敷地にアヒルを飼育し、その卵を売っていた「Wild Hill Farm」という農家だった。ファームで育ったハーブで芳香蒸留水をつくり始めたのをきっかけに、本格的なスキンケアブランドへと成長していった。バイオダイナミック農法に基づいて育てたハーブは、色も香りも格段に華やか。それから蒸留される芳香蒸留水は、エッセンシャルオイルよりも刺激が少なく、アロマセラピー効果も大きい。

そのほかの原料も、サスティナビリティを意識しながら、極力この土地の恵みを取り入れている。海で採れる海藻はマスクに、森の薬用キノコ・カワラタケはスクラブに、近隣に豊富に生息する抗菌作用が高い花・ファイアウィードは化粧水にと、商品の蓋を開けるとスークの香りと景色がそのまま飛び出してくるかのよう。

シェフのごとく、ローカルに根付いた素材をメニューとして、スークならではの愛らしいスキンケア商品が「Wild Hill Botanicals」から生まれている。』

写真:佐藤裕信

 

Happy Hot Chocolate Festival

長く暗い冬を楽しく乗り切るために、バンクーバーではこの時期面白いイベントが続々と開催します。118日~23日の17日間は「Dine Out Vancouver Festival」と呼ばれるレストラン祭り。市内の豪華なレストランの3コースメニューがお手頃の価格で試せる人気の高いイベントです。以前から気になってたり、いつもは高くてなかなか行けないレストランをチェックできる絶好のチャンス!今年は305店参加して、私もカナダにいれば必ずチェックする大好きなフェスティバルです。

そしてこの冬の大本命!「Hot Chocolate Festival」は119日~214日のバレンタインデーまで27日間続くチョコホリックには夢の様なイベント♡こちら2011年の開催から9年目、36店舗のショコラティエ、ローカルカフェやベーカリーが参戦し、この期間限定のホットチョコレートを提供します。ホットチョコレート巡りマップまで配られ、自分のお気に入りに投票できる楽しいイベントです。

今年やっと私も念願のホットチョコレート巡りをする事が出来ました。バレンタインデーに連れて行ってもらったのは、Thomas  Haas!! バンクーバーでは知らない人はいないであろう、北米トップ10ショコラティエ常連のThomas Haasはバレンタインに限らずいつも混み合う人気のチョコレート屋さんです。

ここのチョコレートは、最高級カカオとローカルの旬のフルーツのマリアージュで、甘さも控えめ&品が良い。そして何ともクリエイティブ!今年のホットチョコレートはちょっと政治的メッセージも含んだ2種類を提供していました。その名も、お隣の国で大騒ぎしている誰かさんとその情勢をユーモラスに象徴した「You are  Fired!(君はクビだ!)」と「There is Hope(希望はある!)」。

私は「There is Hope!」をチョイス。

ミルクチョコレートとパッションフルーツが混じり合ったフレーバーのホットチョコレートに、これまたチョコレートで作られた器にのった生クリームとパッションソースを浮かべて頂きます。サイドには、可愛らしいサクサクのチョコレートケーキまで付いて、もう最高&祝福のひと時!!1口ごとに、顔から笑みがこぼれてしまいます!人生今まで飲んだ中で、1番好みでクリエイティブなホットチョコレートだったなと大満足な1日でした。Thomas Haasのホットチョコレートは毎年の定番となりそうです。

フライングで、バレンタイン前にTemper Pastryのホットチョコレートもチェックしました。こちらのパティシエさんはThomas Hassで修行を積んだ方。「Lick My Banana Split(私のバナナスプリットを舐めて)」と、直訳するとかなり面白い&怪しいネーミングのホットチョコレートは、70%ダークチョコレートにバナナの香り付けがされていて、ホイップクリームとチェリーが豪快にのった華やかなフレーバー。お供にバニラアイスクリームとチョコ棒までついて立派なデザート並みのホットチョコレートでした。でも、個人的軍杯はやっぱり圧倒的にThomas Haasですね。笑

こんな楽しい行事をこなしていると、バンクーバーにもゆっくりと春の兆しを感じ始めるのです。

The winter wonder trail

トレイル好きな私は冬でもやはり山に入りたくなり、近所の裏庭(山)でスノーシューに初挑戦!家から車で30分程のMt. Seymour(マウントシーモア)は、標高1,449mでスキー場やハイキングコースも沢山あります。

今年のバンクーバーの冬は稀にみる晴天続き。あまり雨や雪に恵まれていませんが、Mt. Seymourのスキー場まで登るとそこには白銀の世界が待っていました!遠くにはアメリカのMt.Baker(マウントベーカー)が見える絶景ポイントからスノーシュースタート!

夏に歩くトレイルは木の根っこや起伏が激しい箇所がゴロゴロあるけれど、冬は全て雪の中。湖や川面も全て氷で覆われています。夏場より歩きやすいと思うほど、登り下りはあるものの緩やかな雪道にサクサクと響くスノーシューの足音が何とも心地良い!

白の世界は静寂でピンと張り詰めた緊張感みたいなものがあって、ちょっとの音や小動物の足跡まで敏感にキャッチできる無地のキャンパス。深い森に差し込んでくる冬の太陽の光が、キラキラと真っ白な表面を照らして宝石の様に眩く輝かせます。それを眺めるだけでとても清らかな気分になれる雪マジック。

白という色は何て無限大の色なのでしょう。白を見ているだけで頭も気持ちもスッキリ洗われていきます。澄みきったカナディアンブルーの晴天の空と重なれば最高の色のコントラスト!トレイルの道中、大自然が見せてくれる自然のギャラリーに心奪われるばかりです。

往復約5kmのDog Mountain Trail (ドッグマウンテントレイル)の頂きは、バンクーバーとその背後の山々が望める絶景ポイント!ここまで登って来るともう汗だく。

午前中仕事をして、午後からサクッとスノーシューに出掛け自然の世界に溶け込むことが気軽に出来てしまう日常。海あり山ありのバンクーバってやっぱり素敵な街だなぁと、しみじみ感動してしまいます。

冬のトレイルの美しさと楽しさを教えてくれてありがとう!と、また一つ私の中のカナディアンビューティーが増えました。