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Happy Gardening

今年のバンクーバーの夏は例年より涼しいスタートでしたが、ガーデニングは日々熱く盛り上がっています。夏になると自ら野菜や草花を育てるカナダ人は沢山います。そして私も、今年の春、ようやく空きを待っていたコミュニティーガーデンの一画が与えられたのです。

コミュニティーガーデンとは地域の未利用地を使って、その地域の人たちが共同で花や野菜、ハーブなどの植物を育てるオープンスペースのことです。それぞれスペースを与えられ、各自、自由に愛着を持って、いろいろな植物を育てています。とにかく人気があり、私のコミュニティーでは現在も100人ほどの人がウェイトリストに登録しているそうです。

コミュニティーガーデンのメンバーは定期的に勢揃いして顔合わせすると同時に、皆で草むしりや道具のメインテナンスをする集まりがあります。私の所属するコミュニティーガーデンは全部で50区画ほどあり、新入りもいれば、もう10年以上コミュニティーガーデンで栽培しているベテランもいます。コミュニティーガーデンの良い点は、それぞれのガーデニングスキルを共有できる事。そして、「Shack」と呼ばれる共同納屋にガーデニングに必要な全ての道具が揃っているのです。なので、ガーデンに行く際は、気軽に手ぶらで行くことが出来ます。バケーションなどで長期間不在になる時は、「WATER ME PLEASE」(お水を与えてください)という看板を立てておけば、他のメンバーが代わりに水やりをしてくれます。自分が持っている植物を分けたり貰ったり、エクスチェンジもあります。コミュニティーガーデンでは、それぞれのスペースを楽しみつつ、皆で集合体の「庭」を作っている、そんな印象です。

自分の区画で土作りをしていると、早速メンバーの1人がやってきて、「これを植えておくと蜂が寄ってくるよ」とお花の苗を譲ってくれました。害虫を食べてくれる鳥を誘う水飲み台を設置している人もいます。私は全て種から育てる派で、種まきの時期は何を撒こうか随分悩んでしまいました。結果、水菜、小松菜、きゅうり、枝豆など日本のお野菜を中心に、ケール、ラディッシュ、パセリ、ネギ、トマト、と花の種を数種類。畳2畳分くらいのスペースを最大限に活用しました。お陰で芽が出てきた時に、「何の芽だっけ?」と分からなくなることも…。「ちょっと多く蒔き過ぎたかしら?」と話していると、「何が生えてくるか分からないのもミステリーで楽しいじゃない!」とカナダ人らしい前向きなアドバイスをもらったり。

ちなみに植物の種は、「Seed Pod」と呼ばれる種を自主的に無料で配布している場所があって、そこにもらいに行きます。ほとんどのものがオーガニック、もしく近所の人達の庭で採取した種を集めたもので、安心安全です。

種だけでなく、苗も自由にもらえる機会も沢山あります。近所を散歩をしているとよく「トマトの苗お好きにどうぞ」と、庭の前に置いてある家があったりします。余分に育ってしまった苗を譲るこのような行為は、バンクーバーではよく見かける風景です。地域のオンラインガーデンコミュニティーに参加すると、何か困った時は、そこに質問を投げかることもできます。私がアブラムシ対策の質問をしたら、数時間で20件以上のフィードバックを貰い、皆熱心に問題解決のアドバイスをくれたのには驚きました。

ガーデニングコミュニティーでは土作り、肥料作り、種や苗の交換、知識の交換…、全て何の代償を払うことなく、植物を育てるという共通の目的に基づき、互いに助け合っています。「食」を作ると言うのは本来、共同で働き分け与える、とても当たり前で自由なものなのかも知れません。

コミュニティーガーデンで畑仕事をしていると、通り過ぎの人やメンバーの人から挨拶がてら「Happy Gardening!」とよく声をかけられます。共同の「庭」から、私は想像以上のハピネスを受け取っている気がします。

The Scent of Spring

数ヶ月ぶりのカナダの空気はすっかり春です。冬の間、ずっと雨に浸されてきた樹々と大地が、柔らかい春の陽射しに照らされ始めると、何とも心が解れるような香りを放ちます。

今年の春は思いもよらない形で、ずっと追い求めていた「春一番の香り」を見つけることができました。それは、Cottonwood Budsの香り。「コットンウッド」は和名で「ヒロハハコヤナギ」と言うようで、ポプラの1種です。 空を仰ぐほどの高い木に成長し、夏前になると、ふわふわそこらじゅうに白い綿を雪の様に降り注ぎ、この幻想的なCottonwoodが私は大好きです。

早春と呼ばれる季節。Cottonwoodの枝から新芽が出始めます。この新芽の蕾の中に、オレンジ色の樹脂が含まれていて、カナダ先住民はもちろん、Cottonwoodが生息するさまざまな地域で、長年薬として使われて来ました。樹脂には、サリシンと言う抗炎症性の物質が含まれていて、鎮痛剤や解熱剤の効果を持っています。現代医療のアスピリンと同じ効能があることも分かっています。その他にも、ミツバチが樹脂を集め、巣作りに利用します。これが後のプロポリスにもなるそうです。Cottonwood Budsから抽出したオイルは、スキンケアとして、バームやマッサージオイルなど色々に活用するすることが出来ます。

そんな万能なCottonwood Budsですが、私が一番惹かれたのは香りでした。調べて行く中で、その香りを「地球上で最高の香水」と例える人もいれば、「温かなクリスマスツリー」、「甘いキャラメルとハニー」、「魅惑的なアンバー」、と言う表現が。そして誰もが、「一度嗅いだら忘れられない香り」と評するのです。

調べるほど想像は膨らむばかり。そんな香りを嗅ぎたい!と、長く思いを馳せていましたが、何かとタイミングが合わず、この数年Cottonwoood Buds の香りはおろか、その姿さえ見ることはありませんでした。

そして訪れた今年の春。導かれるように、Cottonwood Budsは意外にも身近な場所で、色々な偶然が重なって、私の前に現れてくれました!すでに蕾が大きく成長し、その先端から滴るように赤っぽいオレンジ色の樹脂の雫が、太陽に照らされてキラキラと輝いていました。樹脂は触ると糊の様にベタベタします。この蕾が開く直前に、ベタベタしていることを確認して収穫するのです。

胸が高鳴りながら初めて詰んだCotton Bud。そっと鼻先へ、その香りを自分の中に吸い込んでみると、何とも言えない力強く甘い香り!このままぺろりと舐めたくなる、まさにプロポリスのキャンディーそのものの香りです。

Cottonwood は手の届きようがない高い樹木なので、なるべく落下した新鮮な蕾がある枝を探してサステイナブルに収穫します。指先が樹脂でべったりとオレンジ色に染り、その祝福の香りを時折噛み締めるように嗅ぎながら作業を続けていたら、あっと言う間に夕暮れになってしまいました。

大切に家に持ち帰り、暖かい灯火を持ち帰ったかのような、そんな香りが部屋中に漂っていました。

ずっと会いたかったCottonwood Buds。「遠くに出向かないと見つけられないのではないか」と言う先入観があり、いつかどこかでと、憧れのような存在でした。しかし、自分の身の回りの自然をよくよく観察していくと、探している宝物は実は足元に転がっていたりするものです。当たり前のように目の前に存在する身近な自然こそ、沢山の気づきを与えてくれるのかも知れません。

収穫した蕾は、早速ティンクチャーとオイルに漬け込みました。Cottonwood Budsの香りと共に、これから忙しいフォレジング(野生の植物を採取すること)の季節の始まりです。

Spring Foraging

バンクーバーの春は、Foraging(フォレジング=自然採集)にとても忙しい時期です。気がつけば、日々どこかで新しい命が芽吹き、私もあちらこちらへと大忙しに繰り出して行きます。とにかく自然の営みを目で見て、肌で感じることが大好きで、フォレジングを通して普段何となく知っている植物からも毎回学びが沢山あります。

ラズベリーリーフとブラックベリーの新芽から始まり、こごみ等の山菜採り。遠方の北まで足を伸ばし、人生初の白樺樹液の採集も体験しました。5月になるともう追いつかない程、花と新緑の祭りが始まります。つくしが顔を出したかと思ったら、あっと言う間にスギナが伸びます。繁殖力の強いスギナは駆除が困難な雑草として見られがちですが、カリウムが豊富でむくみを解消し、血液をきれいにしてくれます。スギナのケイ素は、歯・髪・爪の健康維持に欠かせない成分でもあります。

新緑だけでなく花の森かと思うほど、山にも美しい野生の花が咲き乱れます。ライラックの香りは大好きな花の香りのひとつで、雨が上がった早朝のライラックの香りは特に濃厚です。華やかな香りのリラックス効果と共に、沢山の抗菌・解熱・新陳代謝改善などの健康効果、そして美肌効果があります。

エルダーフラワーは咲く期間も短く、フレッシュなタイミングで摘む時期を見計らうのは至難の技です。エルダーフラワーは特に、副鼻炎やインフルエンザの特効薬として知られます。優れた抗酸化作用で、肌のキメを整え、シワや紫外線のダメージを改善する効果も。

そして、エルダーフラワーはとにかく美味しい!ぬるめのお茶にしてたっぷりとビタミンCを摂取するのも良し。砂糖とレモンで煮込んで作るエルダーフラワーコーディアルは格別です。冬の風邪薬にと2瓶作りましたが、あまりの美味しさに夏までに無くなってしまいそうです。

今年の春は色々な形で自然の恵みを楽しんでいますが、ハイライトは何といってもモレルマッシュルーム(アミガサタケ)。モレルは、カナダはもちろんヨーロッパでも春の珍味として食用に幅広く活用されますが、今回モレルのストーリーに心打たれました。モレルは、山火事で荒れ果てた山の斜面や、森林伐採された荒野に新しい命を吹き込むキノコです。凸凹した網状のカサに、植物の胞子を引っ掛け育み、枯れた大地に新しい息吹をもたらします。正直、今までモレルはそこまで関心がなかったキノコでしたが、その話を聞いてとても愛着が湧きました。

ご縁があり、モレルマッシュルームを毎年採取しているカナダ人に同行したある週末。私達が向かった先は、昨年の山火事で焼け焦げた木々が無惨に散乱している場所でした。まだ焦げ臭く辺り一面真っ黒な死の世界の様なその場所で、かろうじて直立している木々。その外皮に触れてみると、想像以上にふわっと柔らかく軽い炭のような感触でした。真っ黒に燃えても、内側はまだ生きているので材木としてそのまま切り倒され使用されることが多いそうです。木がなくなり、スカスカになってしまった山の斜面は、砂のようにとても乾燥していて斜面を登るたびに足が滑ります。

そんな場所に、モレルがニョッキリと顔を出しているのです。何とも可愛らしい、森の守護霊のようなモレル。「ありがとう。君達すごいね。」と感謝の気持ちを抱きながら、小さいサイズは避けて採りすぎに注意しながら採取しました。1日の終わりにはもう手は真っ黒、炭だらけ!

この日帰宅して料理したモレルの味は身に沁みる美味しさでした。

モレル採取中に、新しい野草にも出会いました。マイナーズレタスと呼ばれる、野生のレタス!100gのマイナーズレタスには、1日のビタミンC摂取量の1/3も含まれているそうで、そのままサラダとして美味しく頂きます。ワイルドストロベリーも可愛らしい花を咲かせていました。きっと美味しい実が成るだろうと想像しながら、山火事の荒野に存在するたくましい生命の循環を垣間見ることが出来ました。

野生の植物や花は、人間の頭では計り知れない大地の時間の流れとともに、正確に命の時を刻み、着実に彼らの使命を果たしています。山を生き返らせ、そこに生息する動物達の貴重な食糧ともなります。生命がきちんと循環するように、人間もまた来年同じ時期に自然の恵みを分けて貰えるように、サステイナブルを意識しながら採取する大切さを身をもって感じます。インターネットで表面的に何もかも知った気になってしまう危うい時代だからこそ、土臭い場所で五感で感じる行為をより大切にしたいと思うのです。

Mindful Face 10 – Dr.Ginger

2月も末ですが、カナダではまだチラチラと雪が降る日がありました。翌朝は澄み切った冬晴れの空の下、うっすらと雪化粧をした街が眩しかったです。

冬は浄化されるような雪景色と、澄んだ空気が気持ち良い季節ですが、顔面神経麻痺を患っている方にとってはなかなか手強い季節でもあります。なぜなら、冷たい空気に患部がさらされたり身体が冷えることで、血の巡りが悪くなり、筋肉を強張らせ、症状が悪化することもあるからです。

特に冬場は内側から徹底的に温め、巡りをよくしてあげることを心がけましょう。体の内側と外側は面白いほど繊細に、密接に繋がっています。冬だけでなく、年間を通して温活療法を施してくれるお医者様的存在…。それは何と言っても生姜ではないでしょうか。

生姜は食べ物を陰陽で分けると、「陽の食材」。栄養素の宝庫でもあり、主な成分にカリウム、カルシウム、マグネシウム、ジンゲロン、とショウガオールなどがあります。特に、生姜の辛味成分であるジンゲロール・ショウガオール・ジンゲロンは体の内からも外からもポカポカ温活パワーを与えてくれます。

ジンゲロールは「生」の生姜に多く含まれていて、鎮痛・解熱・消炎・発汗作用があり、胃腸の調子を整え、風邪の予防にもなります。強い抗菌効果で体内の熱を取り除き、体の表面を温めてくれる効果も。肩こりや頭痛などの改善はもちろん、生の生姜をすり下ろして作る「生姜湿布」などは皮膚からジンゲロールを吸収させて、血行促進させます。基本的に生姜は体を温める「陽の食材」ですが、ジンゲロールに限っては、体温を下げようとする効果があるので、体調によって「生」か「乾燥」の生姜を使い分けると良いです。

ショウガオールは「乾燥」された生姜に多く含まれていて、ジンゲロールを加熱・乾燥させると一部がショウガオールに化学変化します。ショウガオールは深部から熱を作り出し、血を巡らせ身体を芯から温めて持続させる効果があるのが特徴です。加熱した生姜の温活パワーは、生の生姜よりも強力と言われているので、特に冬場や冷え性の人は積極的に熱を通しましょう!新陳代謝も促進され、血行の改善から美肌効果も期待出来ます。そして更に、抗酸化作用もパワーアップし、ショウガオールには抗ガン作用もあると言われてるので、毎日でも食べたい!

ジンゲロンも加熱によりジンゲロールが変化したものです。新陳代謝の促進・血行の促進で、体を温め冷えを改善してくれると同時に、脂肪燃焼にも役立ってくれます。

となると、生姜は加熱して摂取した方が圧倒的に良いのでは?!と、私は普段から生姜を加熱して食すことがほとんどです。特に、20代の頃から愛読している医学博士の石原結實先生の「体を温めると病気は必ず治る」と言う本の中で紹介されている「生姜紅茶」は、今でも冷えを感じた時や、体を活性化したい時に必ず飲むお茶です。

レシピと言うまでもないくらい簡単で、熱い紅茶にすり下ろした生姜をたっぷり入れて、お好みで蜂蜜やプルーンを入れて熱いうちに飲みます。個人的には甘味はスキップしますが、甘味を加えることで滋養強壮作用があるそうです。これを飲むだけで、体がすぐにポカポカ、ちょっとした不調は吹き飛んでしまいます!

唯一のポイントは、オーガニックの生姜を皮ごと使うこと。生姜の皮にはポリフェノールやジンゲオールが豊富に含まれているので、切り捨てないで全て使ってください。カナダでは比較的オーガニック生姜は安価でどこのスーパーでも取り扱ってますが、購入が難しい場合は、重曹でよく洗って残留農薬を除去してから食してください。

どうせ飲むなら、紅茶にもこだわりたいもの!こちらも出来ればオーガニックのものを!そして、 ティーバックではなくホールリーフ(茶葉をカットしていないもの)を選びましょう。私は、エシカル・サステイナブル・フェアトレード認証されていて、ケニア自社農園直送ホールリーフ茶葉を扱っているJusteaKenyan Black Teaがお気に入り。地元バンクーバーのブランドで、「顔の見える」メーカーを選ぶのも安心安全の基準です。この紅茶を来客に出すと、いつも「美味しい!」と褒められます。

生姜を毎回すったり、切ったり、めんどくさい!手軽に温活パワーを吸収したい!と言う人は、乾燥した生姜パウダーもオススメです。最初からショウガオールの成分が豊富なので、飲み物や料理にパパッと加えられます。

もう一つのオススメは、「生姜ビネガー」。細かく刻んだ生姜を瓶に入れて、ひたひたにビネガーを注ぎ、冷蔵庫へ。長期保存可能なだけでなく、ドレッシングやヨーグルトのトッピングなど様々な料理の万能調味料として使えます。多少なり乳酸発酵する気がして、お酢の味が少しまろやかになります。私はこれを冷蔵庫に必ず常備!お酢と生姜のW血行促進パワーで、冷えを撃退しましょう。

たった一つの食材で、こんな恩恵が得られる生姜は真の温活ドクター!もう直ぐそこまで来ている春に向かって、体内の巡りと体温をしっかり整え麻痺部の硬直や不調を少しでも和らげておくと、春夏の回復力が変わってくる気がします。

体を温めると自然と心も緩みます。リラックスしながら寒さを乗り越え、温かい春を待ってみてはいかがでしょうか。

Get Creative with Hands

味噌作りには寒仕込みが適していると昔から言われますが、今年も日本とカナダで1月と3月に味噌を仕込みました。カナダでの寒仕込みは今回が初めて!せっかく仕込むなら全てローカルな素材でと、麹と大豆はチリワックでMade-in-Canadaの手作り醤油を仕込んでいるKoji Fine Foodsから仕入れました。味噌作りの日の為に出来たてホヤホヤのオーガニック生麹を作ってくれて、大豆もカナダ東部から仕入れたと言うオーガニック大豆を贅沢に使用。

今までは乾燥麹を使っていましたが、やはり生麹は香り豊かでふわふわの手触り!麹菌のパワーも強いので、発酵食品がより短い期間で出来るそう。味噌作りに興味ある友人達と一緒に、みんなで豆を潰したり、捏ねたり、お喋りを楽しみながら4時間程かけて仕込みました。

そんな毎年恒例に取り組んでいる普段通りの味噌作りが、とてもかけがいのないものであると思い知らされたのはそれから間もなくの事です。

世界中で感染が広がるコロナウィルスの危機がとうとうカナダでも深刻化して来ました。国境が閉鎖され、お店やレストランが続々と臨時休業を余儀なくされる中で、先の見えない不安にカナダ人も他の国々の人と同じく、食料のパニック買いに走っています。モノがなくなるから買込むのではなく、モノが少ないならば、いかに今あるモノを大切に活かしながら厳しい時期を乗り越えるのか、と言う方がサステイナブルな生き方に繋がるのではないでしょうか。そんな時、私はいつも自分の手に意識を戻すのです。

私はもともと手料理が大好きなので、今はキッチンで発酵食がフル活動中!!!味噌作りで余った麹で塩麹や甘酒を作って常備しています。オーガニックの大豆があれば、簡単に手作りのオーガニック納豆も作れます。一度では食べきれないので沢山冷凍保存してゆっくり楽しみます。

野菜はぬか漬けにしたり、ピクルスにする事で長期保存出来ます。料理で余ったくず野菜や少し古くなった野菜でもぬか漬けにするとビタミンB1たっぷりの栄養価を美味しく頂けます。

骨つきチキンの食べ残しや鳥ガラを利用してチキンストックも作ります。好みでナツメやジンジャーを入れて中華風にしたり、塩麹を入れてあっさり塩味にしてみたり。手作りチキンストック はスープには勿論、ソバ用のスープや炒め物にも使えてとっても万能!しかも骨をじっくり煮込むからコラーゲンを摂取でき、翌日の肌はプルンプルン♫

お菓子が食べたければ自分で焼けば良い!イーストさえあればパンやピザも作れるから、これからチェレンジしてみようと思います。

抗酸化作用・抗菌作用が優れたハーブティーやティンクチャーもメディカルハーブの知識と自然の恵みをちょっとおすそ分けして貰えば、簡単に家で作れ、日々の健康を守ってくれる薬となり得ます。

スプラウティングジャーがあればブロッコリースプラウト、レッドクローバー、ムングビーン、フェネリーグなど色々な種を発芽させてフレッシュに、より高い酵素を生きたまま沢山体内に取り込めます。

時間と労力はかかるけれど、何より手作りのモノは1番自分と相性の良い食べモノとなり、免疫力の高い心身を造ってくれるのです。

陽射しも暖かくなり始め、そろそろバンクーバーも春本番です。少しでも庭やバルコニーにスペースがあるなら、家庭菜園などいかがでしょう?自分の必要なモノを自分で生み出す事が少しでも出来るなら、よりストレスフリーに、より思いやりの心を持って、この不安定な時期をクリエイティブに過ごせるのではないでしょうか。

Slow Life is Busy Life

春が来たと思ってあれこれ過ごしているうちに、夏がやって来ました。バンクーバーの夏は最高の季節です。気温は25度前後ですが日差しが強いので、ジリジリと焼けるように結構暑さを感じます。そして、夜は21時過ぎまで明るい空に誘われて、1日を長く思いっきり楽しめる季節です。

我が家のバルコニーでは冬越えしたハーブ達が青々と生き返り、トマト、キュウリ、長ネギなど家庭菜園している野菜も、太陽が強いおかげもあって、1日でぐんぐん成長していきます。その成長を見ているだけで可愛らしいものです。

新鮮なレモンバームとミントを摘んではよくお茶にしています。レモンバームは自律神経や体の不調を整える効果だけでなく、抗酸化作用によるアンチエイジグ効果や冷え性の改善も期待できる万能ハーブ。フレッシュなグリーンイエローの色と香りにもとても癒されます。

日々の「食」は「スローフード」を心掛けているせいか、何もない日は、1日のうち半分以上はキッチンで過ごしているかもしれないと思う程、食いしん坊はやることがいっぱい!

最近、アーモンドミルクをまた作りはじめました。市販のアーモンドミルクはアーモンドよりも他の原料の方が多く、数%しかアーモンドは入っていません。自分で作るアーモンドミルクは100%アーモンドのみ!!

一晩水に浸したローアーモンドの皮を剥き、フードプロセッサーで砕いてから布で絞ると、真っ白なきれいなミルクが獲れます。

保存料はもちろんないので4−5日で消費しますが、グラノラに入れたり、チャイやホットチョコレートに合わせたりと色々と楽しめます。

朝食のグラノラも手作り。以前ソルトスプリング島のAirbBBのオーナーさんから教えてもらった秘伝(?)のグラノラレシピがお気に入り。ひまわりの種、かぼちゃの種、ココナッツチップ、カシューナッツ、オーツ麦、クランベリー、レーズン、ゴマ、ハニー、などを混ぜ合わせてオーブンでこんがり焼くだけ。もちろん、素材は全てオーガニック。種&ナッツ類はロー(生)のものを選びます。

春先には初めてチックピー(ひよこ豆)でお味噌も仕込みました。大豆や麦で作る味噌とは違って、ちょっと甘めでまろやかな白味噌っぽい味になるのでお気に入りです。

市販のチックピー味噌は少々お高く、量も少なめなので自分で作るのが一番!大豆製品に偏りがちな日本食からちょっと一休みしたい時にもオススメです。

水は水道水から直接飲めますが、カルキ抜きのために我が家は竹墨を入れたウォーターディスペンサーを使用しています。(お隣はコンブチャ!)

竹墨は木炭より水の浄化に優れていて、水中の汚れや化学物質を吸収するだけでなく、炭の成分が溶け込みミネラル豊富なバランスよい水を作ってくれます。毎晩新しい水を組み直すひと手間はあれど、この水は毎日の健康的な飲料水、そして料理用水として欠かせません。

スローライフとは、誰もが優雅でゆったりとした時間を想像するかもしれませんが、とんでもな〜い!!スローだからこそ、何気ない小さな手間暇かかることが沢山あって、干したり、耕したり、洗ったり、摘んだりを繰り返しているうちにあっという間に時間が過ぎてしまいます。

スローライフは実はとっても忙しい。でも、手作業から芽生える愛着と、美味しくできてくれてありがとうという喜びが、そのものを特別なものにしてくれます。

都市に住む生活の中で少しでもスローライフをクリエイトしていきたいです。

My Morning Rituals

「早起きは三文の徳」と同様、朝をどうスタートするかで1日が決まると言っても過言ではない。1日のムードセッターとなり得る朝だからこそ、ちょっとだけ丁寧に過ごす事を心掛けると心も体もそれに従いちゃんと反応してくれます。

私の朝は一杯の白湯から始まる。お水を大きな泡が立つまで1015分沸騰し続け、水の中の不純物やカルキ臭を取り除き適温50度くらいに冷ましものが白湯。体温に近くする事で吸収し易く体に負担がかかりません。めちゃシンプルで簡単な白湯は「温活」効果抜群!ひと口づつ、ゆっくり飲むとフワ~っと体の中から温まりじんわり汗ばむほど!冷え改善だけでなく、内臓機能を高め、デトックス効果、体の巡り、免疫力をアップしてくれます。

一杯目の白湯を飲んだら好みで生姜やクコの実を浮かべて2杯目を。クコの実はカナダでは「Gojiberry」として知られ、オレンジの数百倍ものビタミンCを含み疲労回復にも役立つスーパーフードです。

その後、毎朝20~30分程ヨガタイム。よほど早朝の仕事がない限り朝晩ヨガを欠かしません。長年愛読している「簡単ヨガレッスン」でまず準備体操~。この本はからだが硬い人のための月曜~土曜まで(日曜はお休み♡)のポーズや、10分~30分コースと用途別レッスンが分かりやすく無理なく続けられるように書いてある。「からだは必ず柔らかくなる」を必至に信じてコツコツ続けていると、驚く程に柔軟性がアップしていきます。

昨日よりも今日の自分がしなやかになっている事を確かめながらのストレッチはちょっとした喜び。準備体操が終わったら、これもずっと続けているシバナンダヨガのポーズを、その日の体の凝り具合を見ながら進める。ヨガはからだを柔らかくするだけでなく、心も柔軟にしてくれます。自分の軸をほぐし調整するその感覚が大好きで、私の朝のハイライトでもある。

ヨガ後は朝食と共に飲むハーブティー選び。7年前にカフェイン断ちをして以来、大好きだったコーヒーとおさらば!今は飲みたいと思う本当に美味しいコーヒーと巡り会った時のみ、年に数回飲んでます。体からカフェインを抜く事で疲れにくい体質になり目覚めもスッキリ!昼間にボーーっとカフェイン欠陥症になることもありません。シャキッッと動ける体を維持出来るので続けています。ハーブオタクの私は10種類以上のハーブティーを常備し、その時々の体調や気分によってセレクトしたりブレンドしたり。

最近のお気に入りはCHAGA(チャガ)! 写真手前の木のような塊で、ロシアやカナダの極寒な地域に生息する白樺に出来るキノコの一種。チャガは白樺の樹液を吸収しながら5~10年程かけて大きくなり、「森のダイアモンド」とも呼ばれています。チャガの健康効果は絶大で、抗酸化作用、抗ガン作用、抗ウィルス作用、アレルギー疾患の予防と改善、糖尿病や高血圧にもテキメン!!と魔法のようなお茶なんです。

私はカナダ東部の政府環境保護地区から採取している貴重なチャガを取り扱っているTealaniのチャガを愛飲中♡ https://www.facebook.com/Tea-Lani-360061730689240/

締めは自分の好きな香りに包まれて、いざ活動開始~!!セージやパロサントを焚いて生活周りの空気を浄化します。パロサントは浄化と同時に良い気を取り込んでくれる南米ペルーに生息する「聖なる木」と呼ばれる香木。地元バンクーバーのナチュラルブランド、Woodlotに教えてもらったどこか懐かしい落ち着きのある香り。スプレータイプも作っていて便利。https://shopwoodlot.ca

白湯→ヨガ→ハーブテイー→香りで浄化、がお決まりのMy Morning Rituals (私の朝の儀式)。

「忙しくてそんな暇ない!!」と叫ぶワーキングウーマンも多いと思うけれど、朝5分でもいいから気持ち良いひと時を作ると1日の流れが変わって来ますよ!どんな小さな事でも自分に心地よいことを出来る範囲で続けるともっと大きな流れに繋がって行く、そんな気がします。