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One Canadian Summer

7月1日はCanada Dayで、毎年この日を過ぎると本格的な夏が来たなと感じます。そしてキャンプシーズンも到来。早速バンクーバー島の海岸沿いにキャンプに行って来ました。すでに初夏の陽射しがジリジリと暑く感じる季節ですが、カナダの海は夏でも泳げない程冷たいのです。しかも、太平洋側の海岸は風も強く、朝晩の体感温度は10度並み?と思えるほど。着込んではいたけれど、流石にダウンジャケットを忘れてしまった私にはかなり堪える寒さでした。

そんな中でもやはりキャンプは最高です!夜は砂浜に打ち上げる波の音色と風を子守唄に。朝は決まって5時半頃から始まる小鳥のオーケストラを目覚ましに。大自然の中で過ごす非日常的な時間はやはり特別です。そして、ここ数年の旅の大きな目的の一つは、workation(ワーケーション)。旅先でローカル&サステイナブルなビジネスを取材しては、VOICEと言う記事にしています。今回も3件の島のビジネスを取材させていただきました。旅先でその土地に住む人々と繋がり、彼らのライフストーリーを聞くことで、その場所の風景が少し違って見えてきたりして、より一層印象深い旅の時間にしてくれます。時々、純粋なバケーションだけを楽しみたいと思うこともありますが、今はこのワーケーションスタイルが気に入っています。

そして今回の旅をよりスペシャルにしてくれたのは、久しぶりの友人との再会でもありました。旅先で何年振りの再会を果たすことは、男女問わず、どこかロマンチックでドラマチックな心情にさせられます。

最近、”Four thousand weeks – time management for mortals” ~「4000週間 – 限りある時間の使い方」と言うキャッチーな題名の本を読みました。4000週間とは、仮に人の寿命が80歳とした時に過ごす週の数です。4000と言う数分で容易に数え切れそうな数字に、人生の短さを感じられずにはいられません。すでに人生後半戦の自分が今後過ごせるであろう夏の季節の数を考えると、毎年当たり前のように来る夏がとても愛おしく尊く感じます。ひとつひとつの季節、そして、与えられた時間を出来るだけ丁寧に生きること。この本をきっかけに、自分の限りある時間の過ごし方をとても意識するようになりました

私の場合、自然と大切な人たちと繋がっていれば十分に幸せを感じます。特にキャンピングは単に外で寝泊まりしているだけなのに、最高の時間を過ごした気分になります。掘り下げていくと、人の幸せとは極端にシンプルなものなのかも知れません。幕開けたと思ったら、あっという間に終わってしまう短いカナディアンサマーだからこそ、ひと夏の一日一日を謳歌したいと思います。

Under the Stars

降り注ぐような満天の星空を、キャンプで訪れた Kentucky Alleyne Provincial Park (ケンタッキー・アレイン州立公園)で見ました。沢山の流れ星と七色に発光するカラフルな星達。この世のものとは思えないほど幻想的で静寂な光景に時間を忘れ、ただ空を見上げて夜を過ごしていました。

ケンタッキー・アレイン州立公園はケンタッキー湖とアレイン湖から成る州立公園で、バンクーバーから内陸へ車で3時間ほどの場所にあります。公園のゲートから更に6km程行くとそこには2つの湖の他には何もない絶景キャンプ場が待っています。

湖の底に沈殿した火山灰が太陽の光が射すことで、水面を鮮やかなトルコブルーとグリーンに輝かせます。水辺には花が咲き乱れ「パラダイス」という言葉がぴったりの場所です。

柔らかい陽が当たる早朝の湖は抜群の透明度。数メートル先までガラスのように澄んでいて、思わずボーッと見入ってしまう程。静止した湖の対岸のどこからか、毎朝狼の遠吠えが響き渡って来るのが日課です。

真昼の太陽は湖全体をまるで絵具を垂らしたかのように、鮮やかなグラデーションへ変化させ、、、

その中をゆらゆらと魚が泳ぎ、時折ポチャンと水面を飛び跳ねる音が聞こえます。何だか北国の湖と言うよりも南国のリゾートに来ているような感覚にさえなります。

魅力的なトロピカルカラーとは裏腹に、水は冷たいですが泳がない訳にはいきません!遠浅な湖をちょっと沖まで泳ぎミルキーブルーの水に包まれると、もう冷たさなど忘れて何とも心地よい気分。

汲み取り式のトイレと水場しかキャンプ場にはありませんが、大自然の中にいる時間は自分を心から満たしてくれます。真の豊かさとは、モノや便利さに依存する事ではなく、身軽になって初めて見えてくるものとキャンプに来る度に確信するのです。

今年の夏は沢山の制限が敷かれ、会いたくても会えない人、行きたくても行けない場所も多いですが、最高のパラダイスは実は直ぐそばにあるという事をカナダの夏は気づかせてくれます。

タイトル写真 by YUSHiiN

Nature Colour Palette

バンクーバーは只今夏真っ盛り!例年に比べて記録的な熱波が続いています。(と言っても30度位)

私はカナダの自然から無限大のカラーのインスピレーションを貰うけど、特に夏のカラーは息を呑むほど美しい!!夏空は宇宙に吸い込まれていくかのような真っ青なコスミックブルー!手を仰げば宇宙に届きそう~~~なくらい空気が澄んでいる。フェリーで約1時間半離れたバンクーバー島にある Sproat Lakeで見たブルーは代表的な素晴らしさ。真っ青な天空を鏡のように映しだすとても静かな湖は、まるで水面下にある違う世界に誘うような幻想的な透明度と美しさ。。。

   

キャンプナイトに見た人工的な光のない暗黒のミッドナイトブルースカイは、真の闇の暗さと空の灯台とも言える月光の明るさを教えてくれる。バンクーバーから車で約2時間半の場所にあるJoffre Lakes Provincial Parkのトルコブルーの湖は、私の大好きなカナディアンブルー。絵の具でも流し込んだんじゃないの??と思えるほど、カナダの水はとにかく真っ青!!鮮やか過ぎる青さの理由は雪山にあり。カナダの大半の湖や川は氷河の雪解け水から作られているので、氷河が削った岩の成分からこの美しいブルーやグリーンのハーモニーを奏でているのです。

氷河湖だけに氷水のような冷たさだけど、美しさのあまり飛び込まずにはいられない!!気合いを入れてトルコブルーの世界に身を委ねると地球と一体化し身が清めらていく感じになる。

夏は眩しいグリーンカラーの季節でもある。トレイルを歩けばキラキラ眩しく輝くイエローグリーンの草原や幾層にも形成された奥深いグリーンバリエーションの渓谷。深呼吸するだけで目と心のメディテーション!

海にも緑は存在します。以前バンクーバー島のSookeのビーチを歩いていたら絨毯のようにびっしりと青緑の海藻群。波打ち際からまるで海に溶け込んでいくように生息しているグリーンの大群はまるで丁寧に織られた綺麗な織物のよう。因みに、大きめの海苔をピックしておにぎりに巻きつけて食べたら意外に美味しかった!!笑

サマータイムは日没が21時頃で、夕陽を眺めるには8時過ぎまで待っていないとなかなか沈んでくれない太陽。ぼ~~っと空のグラデーションの変化を追っていると、ゆったりとした地球の動き、天体の動きを心身で感じます。

太陽の周りに虹色の輪が現れる「HALO」=アロもよく見る天空ショーのひとつ。これは薄い雲が太陽にかかり雲の中の氷の粒が太陽の光に屈折してできる現象。天気予報的には「下り坂」のサインらしいけど、見るたびにラッキ~!と喜んでしまう。笑

大自然のカラーパレットは雄大で力強く、そして繊細で儚い。その圧倒的な自然にしか成せない色彩にいつも心を奪われる。カナダの夏はまだまだ私の知らない色を沢山魅せてくれます。