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Charity Fun

チャリティー精神は、カナダに住んでいると日常的に触れる機会が多くあります。援助すること、寄付すること、人のために行動したり思うこと…。チャリティー 精神はあっても、どう始めれば良いか分からない、敷居が高い、お金に余裕がある人がやること、と難しいイメージを持っている人も多いかもしれません。カナダでは、チャリティーはごく身近にあるだけでなく、1つのイベントとして自分が思いっきり楽しむ場でもあるのです。

11月、北米屈指のスキーリゾート地、Whistler (ウィスラー)で毎年恒例の「牡蠣の早あけ世界大会」が行われました。ウィスラーのリステルホテルに隣接する高級レストラン、Bearfoot Bistro(ベアフットビストロ)が主催するこの大会は、今年で9年目を迎えたチャリティーイベント。

冬のプリプリの生牡蠣がフリーフローで食べれて、ワインメーカー24社、スピリッツ(蒸留酒)メーカー10社、ブリュワリー3社からお酒が振る舞われ、ベアフットビストロの創作小料理まで頂けると言う、牡蠣とお酒好きには夢のようなイベントです!

そして、収益金はローカルコミュニティーの基金へと寄付されるので、自分が食べて飲んで楽しみながら何かの役に立っていると言う、何とも嬉しいチャリティーイベント。

一夜でどれだけの牡蠣が消費されるかと思わず心配になる程、約1,000人の来場客はイベント開始と同時に牡蠣ブースで生牡蠣を頬張ります。この主役の牡蠣を毎年チャリティー提供しているソーミルベイ社のオーナー、スティーブン・ポーコックさんとの出会いは私の中で新しいチャリティー像を構築してくれたと同時に、このイベントの隠れたヒーローでした。

12年間牡蠣の養殖業をバンクーバー北西の沖合にあるリード島で家族で営むポーコック家。元は、イギリスのオックスフォードで農業を営み、カナダの内陸部に移住して来たそうです。内陸部でも同じ農業と家畜業を始めたけれど、冬の厳しい寒さに耐えきれず、気候が穏やかなカナダ西海岸に引っ越しを決め美しいリード島と出会ったのです。そこから、牡蠣の養殖がスタートしました。

陸の動物から海の産物にビジネス転身しても「全く違和感なかったよ。同じ生き物だからね」と柔らかく返すスティーブンさんの牡蠣は北米を中心に世界各地に発送されています。そして一番の売りはローカルエリア内への24時間発送!収穫後24時間以内にバンクーバー市内のレストランや近郊の町へと鮮度抜群の牡蠣を届けてくれます。

食が人を作るように、美味しい食(牡蠣)は人が作るのだと宣言するスティーブンさんの人柄と牡蠣への愛が、イベント会場で鮮明に溢れていました。単に鮮度だけでなく、サステイナビリティー&環境配慮を心掛けて育ったソーミルベイ社の牡蠣は、家族総勢でイベント前に長い時間をかけて準備され、無償提供され、またスティーブンさん自ら社員と一緒に四六時中手を休める事なく「牡蠣は体に良いからドンドン食べてね~!」と来場者に牡蠣をせっせと剥いてくれました。どんなに混み合っても笑顔と牡蠣を絶やさず、大会の優勝者には「うちの牡蠣を綺麗に早く剥いてくれてありがとう!」と言わんばかりの満面の笑みで握手を交わし、夜中のアフターパーティーも全力で駆け抜けちゃうスティーブンさん。これぞチャリティー精神をフルに謳歌している姿、と感じずにはいられませんでした。

世のため。人のため。そこに自分も喜ばせる時間があるチャリティーイベントは、無理なく等身大で、きっと誰でもすっと入って行けるはず。形式ばらずに、気がついたら何かの助けになっていたり。チャリティーとは、そんな純粋な喜びや遊びのマインドから生まれるもので良いと思うのです。自分の好きなことがチャリティー精神を育む。私も、大好きな牡蠣とワインを両手に貢献できて幸せ三昧のひと時を過ごしました。