4月の中旬から日本に一時帰国中の私に、バンクーバーの家のバルコニーから花便りが届きました。出発直前に撒いたスイートピー(さやえんどう)が元気よく開花している様です。花の後はちゃんと実をつけてくれるだろうか。。。写真を見ながらそんな事を思いつつ、この夏、我が家の小さなバルコニーガーデンの成長が見れずにちょっと寂しい気持ちになりました。
バンクーバーでは、春から夏にかけてそこら中に花が咲き乱れ、通りを歩いているだけでもふんわりと甘い香りが漂い、何とも夢心地な気分になります。特に夏に咲くワイルドローズの香りは格別です。
その反面、東京にいる時間は自然を身近に感じることが極端に少なくなります。都会の時間の流れが早すぎるのか、それとも眠らない都市のノイズの影響か、この2ヶ月ほどジャーナルに書く言葉がなかなか湧いて来ませんでした。身の回りの環境が人に与える影響は、自分の想像以上に大きいものではないかとつくづく思います。
都会のど真ん中で、それでも私は自然を探しているのでしょう。最近、何気なく道端や住宅地の片隅に咲いている花を目にする度に、可愛くて思わず足を止めてしまいます。
名前の知らない花に遭遇すると「あら、あなたのお名前なんて言うの?」と、つい心の中で尋ねてみたり…。
そして、決して理想的な環境でなくともカラフルに、可憐に、そして逞しく咲く花の姿にちょっと元気をもらったりします。
美しい花や小さな自然の営みを目にすると、またふわっと頭の中に言葉が浮かんで来て面白いものです。普段カナダではごく自然にジャーナルを書いていますが、私の語る言葉は単純にカナダの美しい情景にいざなわれているものなのかもしれません。
忙しく走り回る東京で自分の言葉を見つめる時間はなかなか無いですが、どんな忙しい日常でも、 ちょっと足を止めて花と会話をする時間を大切にしたいなと思います。
最後に、スイートピーの花言葉は花の色によって異なる様ですが、一番響く言葉は「ほのかな喜び」。私と花の時間にぴったりと合う言葉です。