Fall Affair

111日、カナダでは冬時間に時計を1時間戻します。夏時間と冬時間。いつもどっちに時計の針を動かすか覚えられなくて、友人から「Fall Back, Spring Forward」(秋は戻して、春は前に飛ぶ)と、とっても自分の気持ちにシンクロする言葉を教えて貰い、これからは馴染めそうです。

今年のバンクーバーの秋はなかったに等しい位、あっと言う間に過ぎ去り、秋と冬が同時に到来したような寒い季節が足早にやって来ました。寒暖の差が激しかった分、紅葉は鮮やかに美しく、短い期間でしたが十分に楽しむことが出来ました。

カナダの東は「メープル街道」と言われるほど、街を真っ赤に染めあげる赤い紅葉で有名ですが、バンクーバーがある西側は赤と言うより黄金色の眩しい色が目立ちます。私はそんなオレンジや黄金色に輝く温もりのある秋の色も大好きです。

山間や苔むす森の中の秋化粧は、深いトルコブルーの湖面や苔の緑とのコントラストで一層鮮やかに映え、ずっと佇んでしまう程私の目を楽しませてくれます。

そして、秋と言えば「食欲の秋」!!今年の秋は、ご近所さんから頂いた、大量のリンゴでアップルソースやアップルバターを沢山漬け込む作業からスタート。1週間ほどリンゴ漬けになり、様々なレシピのリンゴを食べました。人生初の缶詰作業もトライして、この冬は美味しいリンゴを長く楽しめそうです。

10月~11月にかけては、初の松茸狩り!松茸狩りは、プロの職業としている人も多く、過剰な採取を避ける為、地元の人でさえそう簡単に松茸が生息している場所を知る事は出来ません。幸運にも今年はご縁が重なり、松茸狩りを何回か楽しむ機会がありました。やはり、自分の足で山に入り、松茸を探し手で掘る作業は最高の秋のイベントです。

土瓶蒸し、松茸ご飯、松茸のすき焼きと、日本の松茸に負けない位、風味豊かな松茸を堪能しました。

サーモンの国カナダでは、サーモンの遡上が秋の風物詩でもあります。川沿いを歩いていると、この時期必ず誰かしらサーモン釣りをしている光景に出会います。

カナダ人は筋子に興味が無い人も多く、釣った鮭の筋子を川に放流している事もあります。偶然川辺で見つけた筋子。。。「おいしそう!」と思わず持って帰りたかったけど、流石に鮮度が不明だったので断念しました。

ワイルドは諦めて、今年は新鮮な筋子を購入して初のイクラの醤油漬けを作ってみました!以前から作ってみたかったお手製のイクラ作りに大興奮!!

手作りのイクラは、市販のものとは比べ物にならない程、ぷりっぷりで透明感あるオレンジ色の宝石の様。贅沢に出し汁と醤油、そして日本酒で漬け込んで、最高の珍味となります。

何だか今年の秋は「人生初」イベントが盛り沢山で、あっという間に過ぎ去りました。明日には終わってしまうかもしれない秋をどれだけ充実させたかで、長い冬を前向きに乗り越える心の準備が整います。

カナダの秋は、いつも私にお金では買えない素晴らしい恵みと贅沢なひとときが存在することを静かに教えてくれます。